darkphoenix505pianoles.hatenablog.com
↑去年
輪郭のあるものはくっきりしていて、力強い。
でも、境目なんて分からないぐらいにはっきりしないもの、境目がないものを、人はつい綺麗だと思ってしまうのかもしれません。
たとえば、霧とか、空とか、海とか。炎とか。光とか。
揺らめきとか、滲みとか。そういう淡さに人はつい魅かれてしまうのかもしれないですね。
とはいえ、輪郭がないものははっきりしない。そこにあるのかないのか分からない。
霧と、霧じゃないところとか。炎と普通の空気の境界線とか。
空ってどこから空なんだろうとか。
川と海の境いは、まあ塩分とか地図とか見れば分かるかも?
最近の逢田さんの声って、ソロ活動始めた初期の方に近付いてると思うんですよね。
去年はくっきりして輪郭のある声をしていた気がするんですけど、今年はそれよりも初期の声、透明感のある滑らかさと柔らかさが色濃く残る声だったように思います。
それでも、初期と明確に違うのは、そこに輪郭があった跡が残っているというか、このあたりが声と空気の境目なんだろうなってところが見えやすくなってるところなんですよね。
力を入れたら声の主張が強くなるし、声を震わせればそこに波が起きている事は手に取るようにわかる。
でも、いちばん聴こえてくるのは、そんな芯の部分じゃなくて、芯とその外側の境目あたり。
コップの外側についた水滴とか、波から飛び出した飛沫とか。
そういう風に見える部分に、すごく”らしさ”を感じるんですよね。
なんというか、柔らかさが漏れ出しているというか、描かれた人の輪郭が絵の具で滲んでるみたいな、そういうところに、掴みどころのない輪郭と、染み込むような滑らかさを感じるって、そういう感じがします。
今回のバースデーイベントのロゴは、31歳にちなんでサーティワンアイスクリームに寄せてるらしいんですけど、こんな風に感じるのも、アイスクリームに引っ張られてるのかな……?
暑い季節にアイスを食べるとき、固形物だったものの端っこがちょっとだけ溶けてるような、そんな液体と固体の狭間みたいな、そんな感じの声を思い出せたら、きっと8月8日は夏の季語になるんじゃないかなって気がします。