#てつがくのドンカラス

それでは皆さん元気よく!不意打ち追い討ち?桜内!得意な技は?タイプ不一致!

いつだっていちばん面白いのは

 2年と、半年。

 「時が止まっていた」と話す人もいた。「心が死んでいく」と漏らす人もいた。

 

 

 AqoursのEXライブの彼女たちの言葉は、私にはいまいちしっくりこなかった。だって、5thライブが初参戦の私のAqoursとの日々は、そんなところで止まってはいなかったから。

 

 2年生の最終上限解放が追加されたグラブルコラボ、津島善子に焦点が当たり、千歌と対照的な彼女を軸に描かれたシャドバコラボ。Wake up,challenger!!のような新しい物語が描かれたスクスタ、ソロを中心にたくさんリリースされた新曲。

 この2年半で新しく彼女たちを好きになった人たちや、4thまでの私がそうだったように、5th以降にやっとラブライブ!に参加できるようになった仲間たち。

 配信とはいえ、ロストワールドやカウントダウンのようなライブもあった。AZALEAが悔しい思いをしたとはいえ、パーフェクトワールドは奪われたとはいえ、ユニットライブだって2ndまであったんだ。

 

 だから、わたしの中のAqoursの時間が止まっていた感覚なんてなくて。それはまあEXで9人揃った姿を見た時は涙が止まらなかった。2年半の間、彼女たち9人が揃った姿をずっと求めていたし、それを見た時に何か解き放たれたような感覚はあった。

 でも、わたしはこの2年半で、確かにAqoursの新しい物語に触れて、彼女たちの事をもっともっと好きになって。新しい物語に魅かれた仲間だって増えた。

 EXの連番相手なんて、バンナムフェスからAqoursを知った方だし、LINEを交換するほど親しい人たちの半分以上は、EXや6thがライブ初参戦だ。

 バズり散らかしてたコットンキャンディーからAqoursを知った人、楠木ともりさんや朝香果林の曲を経て、虹ヶ咲やLiella!のアニメからコンテンツ経由で知った人、ずっとAqoursが大好きだったのに、受験や就職から解放されたタイミングが5thより後だった人。

 そんな人が周りにいる事は、彼女たちの物語が2年半確かに紡がれていた証だ。2年半で離れていったかつての仲間たちがいるのと同じように、その期間で新しい仲間たちとたくさん出会う事ができた。

 2年半前、私たちが5thで虹になったあの日と同じように、いや、あの日以上にAqoursの事を好きでい続けた仲間だってたくさんいる。

 

 

 それは確かに、キャストさん達にとっては時が止まるような感覚だったでしょう。私たちが知らないところで、想像もつかないぐらい傷ついて、奪われて。心が死んでいくような、そんな思いをしてきた事は言われなくても分かってる。ラブライブ!というコンテンツで、役者という生き方をしていて、それを奪われることは全てを奪われることと同じなんだって、そんな事は分かってる。

 

 でも、あの人たちの時が止まっていたとしても、私たちにとってあの人たちはずっと過去の存在なんかじゃなかった。

 YouTubeのドリカラのMVなんて、8ヶ月しか経ってないのにシリーズでいちばん再生されてるし、再生数ランキング上から3つはAqoursで占めていて、うち2つはこの2年半のAqoursの歩みだ。私たちの大好きなAqoursが物語を紡いできた証だ。

 

 

 EXライブで、「時が止まっていた」という言葉を聞いた時、やっぱり、ライブって大事なんだって思った。やっぱり、時が止まっていたのかもしれないって思った。

 あの時彼女たちの語った言葉は、それぐらい、2年半Aqoursの物語を追いかけ続けていた私ですらも少しそう思わせてしまうぐらいに、悲痛なものだった。

 

 でも、1月末にリリースされたスクスタの最新章、3rdseasonの35章のAqoursの後編をクリアした時、やっぱり、この2年半Aqoursは歩みを止めなかったんだって自信を持って思えた。

 みんなは見たか?今もなおμ'sへの憧れを抱き締めながら、誰かに憧れる存在として走り続ける彼女たちの物語を。いつだってユメを歌い続けることで、彼女たちにとっても、私たちにとっても大好きな姿であり続けるその生き様を。

 2年半で離れていった人たちには知る事のない、今のAqoursの凛々しい姿を。彼女たちが、今もなおたくさんの人たちを魅きたけ続けるその物語を。

 

 

 確かに、16年〜5thのAqoursは素敵だった。アニメを軸にした迫真のライブパフォーマンスは、ラブライブ!の爆発力そのものだし、彼女たちを応援する仲間たちの熱量は凄まじいものだった。ライブに行けない私はそれを指を咥えて見ていることしかできなかった。

 でも、それ以降のAqoursも、それ以降の仲間たちだってそれに劣っているはずなんてない。

 奇跡のようなダブルアンコールの場にはいなかったけれど、あの日虹色の光にはなれなかったけれど、だからといって描かれた物語や、それを追う人間の情熱が負けている理由になんてならない。

 

 

 

 

 

 

 Aqours6thLoveLive! OCEAN STAGE Day.1に参加した。

 それは、全てを取り返す物語だ。過去の栄光なんかじゃなくて、今を重ね続けてきた彼女たちと、それを追いかけ続けるNo.10たちの、この瞬間の輝きを証明する儀式だ。

 

 

 新曲を引っ提げて登場したAqoursによって披露されたのは、アニメ1期準拠の楽曲たちと、1期のエピソードの焼き増しであるデュオトリオ。しかし、そこで披露されたのは1stの焼き増しなんかじゃない。あの頃より格段にパワーアップした彼女たちの見せる新たな物語がそこには確かに存在した。

 6人で披露した夢で夜空を照らしたい。今の彼女たちが0票で悔しい思いをするはずがないでしょう?舞台の上の彼女たちの、切実に訴えかけてくるその姿は、まさにラブライブ!覇者の圧倒的な実力、表現力、説得力。

 もう弱々しくて儚い1期の頃のあの姿はどこにもなくて、そこにいたのは、確かに今この瞬間、6周年目のAqoursだ。これが今の夢空だ。これが今のAqoursだ。これが2022年のこの瞬間のAqoursのライブなんだ。

 

 

 そして、Aqoursは無謀にもまた戦いを挑む。理不尽に、禍に、過ぎ去りし時に。

 彼女たちの揺るぎない絆と信念を胸に、奪われたものを奪い返すために旗を振る。奪われたものは奪い返す。打ち負かす。そして、全て見つけて取り返す。

 ここは海だ。4作品、7グループしても海だけは彼女たちの聖域だ。最強のフィールドだ。水を得て舞台に立つ今の彼女たちが負けるはずもない。

 

 そして、彼女たちはまた勝利を宣言する。2年半前よりも輝く衣装を見に纏い、ライトを反射しながら、今の彼女たちの全てを見せつける。

 だって、物語は紡がれ続けていたから、彼女たちは歩み続けていたから、その姿は間違いなく2年半前の姿より輝いていた。アニメを背負った1stにも負けないぐらいぐらいの、「今のAqours青空Jumping Heart」だった。

 今がいちばんかっこいいし、盛り上がってるし、今がいちばんAqoursは輝いている。絶対にそれは間違いない。

 

 そして、「これまでのAqours」である涙×を歌い上げた後、彼女はまた船に乗り込む。だって、あの時と同じように、いや、あの時よりも確かに。

 これまでどのようにして歩んできたかを披露した直後に紡がれる、今のAqoursの姿であり、これからのAqoursの姿。

 このライブの大本命であるその曲は、かつて1stライブで披露された時と同じように、重ねてきた瞬間を全て背負って、そして、かつて以上の輝きを放って披露された。

 これが今のAqoursの『MIRAI TICKET』であり、そして、今彼女たちを追いかけている仲間たちの中で、かつての彼女たちを知らない人も同じように、いや、かつて以上に輝いている事を証明する『MIRAI TICKET』だ。

 

 いつだって、憧れを抱き締めながら、今を重ね未来へ歩き続けるその姿は、決して過去の物語のものなんかじゃない。スクスタの最新章のような、私たちの中にも存在したAqours、そして、今この瞬間ステージに立っている彼女たちの自信の姿に他ならない。

 2022年、「みんなも一緒に輝こう!」って言われたNo.10は、17年の映像に映っている人たちじゃない。あの場で、そして空間を超えて彼女たちを追いかけ続けている私たちだ。いつから彼女たちに触れたかなんて関係ない。今のAqoursと共にあるのは、今Aqoursが大好きな私たちなんだ。

 ナゴヤドームにかかるあの虹を見たか。思わず歌いながら涙してしまう彼女たちの姿を見たか。世界のどこにいても繋がっていると、今逢えない人にも想いを届けようと歌っている彼女たちを迎える虹は、5thの映像の中にあるんじゃない。今のAqoursが大好きな私たちがあの虹を作って、そして、その今のAqoursが1人じゃないって言葉を伝えようとしている中に、今配信を見ている今のAqoursが大好きな人たちが含まれていないはずがない。

 

 凄いのは、あの頃の仲間たちだけじゃない。私たちだって、あの虹を作る事ができたんだ。今のAqours rainbowは、6thなんだ。

 

 

 かつて、『Thank you,friends!』という曲が披露された。『No.10』という曲も披露された。

 

 その場にいなかった私は、ダブルアンコールの場にいなかった私は、一生この曲を見ることはないんだろうと思っていた。

 4th以降に参加した人の中で、やっぱりその前とその後で何かが違うと言っている人がいた。やっぱり、あの場にいた人がNo.10なんだって思ってしまう気持ちは痛いぐらいに分かる。それぐらい、特別な瞬間だったと思う。

 

 でも、今の私なら胸を張って言える。

 私たちは『SUKI for you, DREAM for you!』を見たんだって。わざとらしく強調された煽りから繋がったあの曲を披露された瞬間は、4thと同じぐらい、いや4th以上に、Aqoursの事を大好きでいた私たちの想いが、私たちの中でずっと物語を紡ぎ続けていたAqoursが、そこで実を結んで輝いていたんだって。

 

 

 ずっと大好きだったから。今も大好きだから。だから、あの瞬間があったんだって心から思えた。彼女たちが2年半時が止まってたって思っていたとか、そんなこと関係ない。

 Aqoursが自分たちのことをどう思ってたかなんか関係ない。私は、私と共にAqoursを追いかけた仲間たちは、私と出逢った新しい仲間たちは、ずっとAqoursが大好きで、紡がれ続けていたAqoursの物語が大好きで、今この瞬間のAqoursの物語が大好きなんだ。そして、今この瞬間のAqoursは、また未来に向かって希望という帆を上げて前に進み続けているし、そこで出逢った新しい仲間だって、今までの仲間と同じように大好きだって言ってくれるし、今まで以上に輝いているその姿で、知らなかった時の姿を教えてくれる。

 

 

 

 彼女たちの「みんなで叶える物語」は“いま”がいつだって最高に面白い――。

 

 

 

 

 

 

 

P.S.

 私が応援できない時に彼女たちを支えてくれた人たち。ずっと私と一緒に彼女たちを追いかけてきた人たち。彼女たちを追いかける中で出逢った人たち。そして、Aqoursが大好きな仲間たち。桜内梨子さん。逢田梨香子さん。Aqours。キャストさん。スタッフさん。運営さん。

 彼女たちが大好きで、支えている全ての人へ。

 出逢ってくれてありがとう。