#てつがくのドンカラス

それでは皆さん元気よく!不意打ち追い討ち?桜内!得意な技は?タイプ不一致!

無敵級*ビリーバー

りな子。

ダメなところも武器に変えるのが、1人前のアイドルだよ。 

 

 注 アニメだけでなく、スクスタのネタバレを含みます

  虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会第6話『笑顔のカタチ(⸝⸝>▿<⸝⸝)』で、かすみが璃奈に掛けた言葉。

 各種4コマやスクスタを履修、彼女たちの物語も一人一人の事も知っている状態のため、筆者の記憶のなかに、この言葉が鮮明に残って離れない。

 

 今回は、話の流れとは大幅にズレることとなるが、『ダメなところも武器に変えるのが、1人前のアイドル』という言葉を軸に、中須かすみというキャラクター概念、中須かすみというキャラクターのイデア、そして、私たちが中須かすみというキャラクターを魅力的に感じてしまう根源(筆者は主語と枕がデカいのでこれらを同一視している)についての走り書き。

 

 

 

 

さて、単刀直入に、このセリフを聞いて即座に頭の中に浮かんだのが『Margaret』だった。

 

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聞いて!

泣き顔も笑い顔も全部見て欲しい

たまに出る変な顔も笑って許してね

 

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 事実として、ファンクラブは1人だけ上手くいっていない。でも、それを「伸びなくて悩んでいるアンニュイなかすみん」として、曲に落とし込んでしまう。

 まさに、ダメなところを武器に変えてしまうアイドル像だった。

 

 

 

 

 そもそも、中須かすみというキャラクターと、『ダメなところ、上手くいかない事』は切り離せない事のように思える。

 

 失敗描写だとか、オチ担当だとか、弄られ役だとか。そういう役回りになりがちな彼女は、いろんな人から「劣っている」「弱い」とレッテルを貼られがち。

 

 実際、彼女の歌う『無敵級*ビリーバー』『Margaret』共に、彼女自身が未熟であることを自分自身気づきつつも歌っているような言葉づかいは見られるし、こうしたイメージを持つことも、ある程度クリエイター陣の手のひらの上なのだろう。

 

 

もう絶対めげない 負けないって決めたの

 めげない、負けない、って並ぶと、一度夢から逃げ出した先輩たちの物語を思い出しますね

  「もう」って事は、以前はめげたり負けたりしていたんですよね。彼女の中では。

 

 

 

 でも、そうしたダメなところって、どうやって武器に変えるのだろう?

 確かに、璃奈は「表情を作れない」というダメなところを、機械が得意という器用さとか、ダンスだとか歌によるパフォーマンスという「できるところでカバー」して独自の強みに変換できたけれど、かすみの「頑張ってもファンがついてこない」「魅力的になれない」…etcと言った、私たちの抱える中須かすみに対するイメージ、弱みとして認識されている、いわば「ダメなところ」。

 

 それが、彼女の強みとして描かれている箇所。『ダメなところも武器に変えるのが、1人前のアイドル』というセリフが強烈に印象に残ったのも、おそらく最近このエピソードを読んだからだと思う。

 

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しずく

クオリティを聞かれたら、おそらく100人中100人、

部のほうが勝っていると言うと思います

でも・・・・・・なぜか私はそれに同意できません。

今日のかすみさん、ランジュさんに負けていないと思いました

・・・・・・なにが違うんでしょうね。なにかが違うのに、

それがわからないことがもどかしいんです

 

私、かすみさんのこと凄いって思ったんです

あんな風に言うの、今の私には無理だな、って・・・・・・

思ってしまいました。

そう思ってしまった自分にも落ち込みました

だから、負けるもんかって思ったんです。私も成長して、

自信をもって私のほうが魅力的なんだと言い切れるようになりたい。

そう思いました

 

  歌もダンスも、(上手い人と比べたら)ダメダメなのかもしれない。

 

 今回アニメで当番だった璃奈も、演劇部だったしずくも、キャラクターも演者も、パフォーマンスのレベルが10人の中でも上位に位置する(と言われがち)側。むしろ、本当は上手くいっていないかすみが「負けるもんか」って思う側でもおかしくないはず。

 

 でも、璃奈の当番会での、(発声練習の描写で璃奈に後れを取った直後に)この発言だったり、スクスタでむしろしずくに「凄い」と言わしめたり。

 

 明確にダメなところがあるのに、それをさらけ出したとしても屈しない。

 未熟であるからこそ、未熟だとしても舞台に立てるだけの何かを持っている。

 

この世界中の全員がNoだって言ったって

私は私を信じていたい

 

 結局、いくら私たちが彼女に「劣っている」「ダメ」ってレッテルを貼ったって、彼女より「優れている」者が現れたって、ファンが目の前から去っていったって、それを自分らしさとして自信を持って武器にするかどうかは自分で決めること。

 

 

 

 あまり深く踏み込めるほど整理はできてはいないけれど、「劣っている」彼女が、作中でも現実でも強烈に人を魅きつけてやまない何かが、アニメのあの台詞から垣間見えたというお話でした。

 ま、まとまってる気がしない~。