次回→【スクスタ21章】あなたの『理想の』から、『あなたの』理想へ【感想】 - #てつがくのドンカラス
20章、流石に愛さんがロリコンだから部に行ったとか言われてんのは面白いな…
— 逆上幼馴染ガラル黒鷺 (@AqoursJETpoke) 2020年10月31日
さて、冠の雪原学業が忙しくて全然ブログをかけてなかったのですが、ひと段落着いたので久しぶりに筆を執ってみました。
色々あった20章。
個人的には、ラブライブ!のこうやって読み手のメンタルを揺さぶりながら感情が追い付く前に爆速で展開していくところが好きなので、『せつ菜の試練』並みに面白くて満足しているところです。
ランジュと栞子、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○のは同じだったけど、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ってとこで、すげー相手を出してきたって感じ。 https://t.co/PjG06jJ8g1
— 逆上幼馴染ガラル黒鷺 (@AqoursJETpoke) 2020年10月31日
まあ、この辺りの感想とかはいっぱいあるんですけどね。
ランジュと同じぐらいかすみが人の話聞いてないとか、中須かすみの思考回路がトランプと似てるとか、問題を解決できる能力があるはずの歩夢ちゃん、栞子、せつ菜が全員動きを封じられてるという事がシナリオの中で戦略的すぎて興奮するとか。
栞子という価値観に優劣をつけるボスを倒した後に、そもそも一つの価値観しかしらないランジュが登場する流れが、バラモス倒したらゾーマ出てくるみたいで面白いとか。ボスとしては単純に上位種ですからね。しかも、1stSEASONのボリュームの後にこれをやるんですからね。μ’sやAqoursで言ったら、ぼくぴかやネクスパのエッセンスに辿り着いた状態でさらにまた新しい物語の中に身を投じるみたいな。
でもまあ3週間以上経って、こうした感想も出尽くして、共感するかしないかはともかく、これが好きな人はだいたいこんなこと思ってるよねっていう共通認識もできてきていて、その中で今更書くのもなぁというのもあり、今回は、あまり見ない話を。
ゲームとして(というかRPGとして)見た時に、ここで描かれた物語ってどういう事よ?っていうお話。
さて、どうして『プロという完全上位互換を擁し、一番優れたものが中心になってパフォーマンスをする部』という最高の環境ではなく、『プロでもない部長が率いて、環境も部ほどよくない同好会』がいいの?という今回のお話。
1stシーズンが「適正と嗜好の対比」で2ndシーズンが「プロフェッショナル性とアマチュア性の対比」ってのが僕の見解です
— 〔Alan〕 (@Alan_nyuwa) 2020年11月3日
言い換えると1stは「なぜあなたはスクールアイドルをやるの?」で2ndは「なぜ(プロを差し置いて)あなたはスクールアイドルが好きなの?」ですね
フォロワー、優秀。
まあ、自分も理由があって地下現場に行く*1までは、なんでプロの作るクオリティの高いものじゃなくて無名のアマチュアを好きになるんだろうみたいな気持ちが無かったとは言えないので、このテーマについては「あーあれかー」という感触はありました。僕の同人作品を忌避しがちな性格とかもたぶんこういうとこ。
これは、まあランジュが「プロ>>>アマ」という価値観の元で生きていて、プロにはないアマチュアの良さがある、もしくはプロではなくアマチュアであることに何らかの価値を見出す人もいるという考えそのものが欠落している、つまりは「必ずしもプロ>アマとは言えない」という視点が無いという事ではありますが、今回はその不等号に着目して。
「A>>>B」という価値観の元で生きていて、必ずしも「A>Bとは言えない」という視点が無い。
こう書き替えると、結構身近な話だと思いませんか?それこそ、スクスタみたいなRPGとかキャラ使って戦うゲームやってるとよくある話。
<なんでこれ使わないんですか?
ま、まあクールでは使われるし…>
(クール曲ですら居場所が無いので何も言えない)
「よ う こ そ」
だいたいのゲームでありがちな話。なんで下位互換使うのとか、弱いキャラやカードを要らない子呼ばわりしたり†上級者様†が「こんなゴミ使うよりこれ使えよ」みたいなことを言ってくる、みたいな。
や~この手のゲームでぶっこんで来たな~って思いましたね。
だって、「強さとか度外視で推しだからセンターで踊らせる」とか、「果南のが強いのは分かってるけど、好きだから他の子のVolを使ってる」みたいな人いるでしょう?
1stSEASONと比べて、「不快」みたいな感想を抱く人がいるのも確かにそうなんですよね。
<どうしてバックダンサーじゃなくてメインでを使うんですか?
まだカード自体は否定してなかった栞子に対して、
<どうして*2使ってるんですか?
って、カードそのものを否定してくるランジュ。
2番目のボスとして順当にパワーアップしています。
まあ、こうした意見を不快に感じる人がいると分かった上で話を進めると、これは一つの考え方として真っ当なものです。
「よい(=高い)スコアを出す」という目的を基準に考えるなら、それを達成するのに必要のないカードに価値はありません。だって、この基準なら「強いカード>弱いカード」は絶対なんだから。
でも、このゲームをやっている私たちの中にも、推しのカードが誰かの下位互換だったり、推しのカードに使い道がなかったりする人だっているはず。
<っての上位互換だよね?
推しが推しを食ったんだが???>
※筆者は「下位互換」は使いたくないので実装時は頭抱えてました。
じゃあ、そういうカードを使い続ける人たちはプレイヤーとして間違っているかって言われたらそうじゃないですよね?
「よい(=高い)スコアを出す」って、例えば「大会で勝つ」みたいな、ある意味ですごく競技プレイヤー、プロプレイヤー的な思考。
例えば、スクスタの世界大会があって、お金を取ってボルランの真剣勝負を見せるみたいな事をやるとしたら、そんな場で初期凛なんて使ってたらプロ失格です。
<スクスタは遊びじゃない!!!
でも、大半のプレイヤーはそうじゃないでしょう?
もしかしたらボルランやSBLでは入れ替わるかもしれないけど、みんなのユニットのセンターにその子がいるのは、強さ以外の理由があるからのはず。(まあ果南や千歌やせつ菜が好きなら考えることはあまりないんですが)
それを言葉にできるか、自分で今意識しているかは別として、20章までたどり着いたプレイヤーには、そういう感覚はどこかにはあるし、むしろ、ランジュに対する回答はきっと私たちも持っているはず。
というか、課金して突き詰めないと最高の環境を手に入れられないゲームにおいて、そうした「強さ」以外の判断基準を持っていないとまともにプレイなんてできないでしょう?
今までのライブは別に強さだけで編成してきたわけじゃないし、洗練されたプロフェッショナルな構築じゃなくて、持ってる中で好きなカードや強いカードを詰め込んで作ったアマチュアな構築。
でも、別に最強の構築じゃなくても弱いけど好きなメンバーを使えたり、センター適性の無い子をセンターに置いたり。そういうのを楽しめるのって、それこそが競技プレイ、プロプレイにはないアマチュアの強みなんですよね。
私は別にお金を貰って文章を書いてる訳じゃないから、誰にも忖度せずに好き勝手書けるし、信憑性の低いゴシップだろうが捏造だろうが何書いても許されるし、書く側も読む側もそれをそういうものとして楽しむことができる。(まあそういう内容を書くかは別として)
馬鹿な仲間と野球するときは、消える魔球やワールドボールを試したりしてワイワイ楽しめるけど、プロ野球選手がそんなことやってフォームが乱れたり身体壊したらどうすんのさってお話。
そもそも、スクールアイドル自体がそういうアマチュア精神の塊みたいなもので、「こうすべき」という正解に近づいていくのではなく、「こうなりたい」という理想に近づいていくものなので、目標がスコアじゃなくて推しでのクリアなら、別にそれは妥協でも下位互換でも何でもないんですよね。
<プロのアイドルだったら私たちはすぐに失格。でも、スクールアイドルならやりたい気持ちを持って自分たちの目標を持ってやってみることができる。
実はすでにラブライブ!というコンテンツ内では軽く触れられている内容ではありますが、ただここまでフィーチャーされて、しかもその状況が物語の中の「あなた」だけでなく、間接的に「プレイヤー」に対する問いであるという構造が、ゲームとしてとても出来がいいなと思います。
今後、物語の中でランジュに対して同好会が想いを突き付けていくなかで、それを「物語として」だけでなく、「プレイヤー」としても享受できて、それをリンクさせてより強烈に感じることができるのは、この媒体の一番の強みだと思います。
まあ、PRGの強みってそういうとこだよねってお話もあって。例えば旅で使ったポケモン好きになるとか、パパスの剣でゲマを殴るとか、物語の中で主人公が追い込まれてるときはなんか敵が全体的に強いとか、そういう単純なゲーム攻略としての感覚と物語の感覚が一致したときに、ゲーム全体から浴びる圧倒的なエネルギーに圧殺される感じ。最終決戦の相手が滅茶苦茶強くて、とても苦戦しるときって滅茶苦茶楽しいでしょ?
とかなんとか色々思いながら、今後の展開がとても楽しみで、上に書いてきたようなアマチュア精神だとか、前置きでちょっと触れた異なる価値観を知る事とか、そうした事たちをどんな展開で描いて、そしてやっぱり、それらを描いた先でどんなパワフルな言葉と歌で私たちの心を鷲掴みにしてくるのか、とても楽しみに思っています。
やっぱり、色んなものを背景に背負いながら、強烈な言葉と怒涛の展開で雪崩れ込んでくるラブライブ!が好きですし、無敵級*ビリーバーとして覚醒する中須かすみを期待させる演出と、覚醒前の冷酷なまでの追い込み方も本当にゾクゾクするし、これを一ヶ月も待たせる放置プレイが辛すぎます。まあそのおかげで反芻できたり読み返したりと余裕ができたりするんですけどね。
おまけ1
いや君バックダンサーしてるほうが強いでしょうが!!!!!!
なんならバックダンサーのクセして「エマ軸」扱いされるレベルのスーパーカードでしょうが!!!!嫌味か???
<作戦切り替えるとSPゲージ溜まるよ!
ちなみに、部に行ってバックダンサーしてた栞子、果林、愛はみんな3rdアルバム曲でバックダンサー付けてたりします。だから何だとは言わないけど、僕はこれだけで面白いとか思ってたり。
おまけ2
そらそうだお前はどう使っても強いからな!!!
<バックダンサー適性もフロント適性もある万能カードだよ~
<どうして使わないんですか?
実はここ、がをライバル視してるのも含めるとすごく面白くて。*3
プロの指導を受けバックダンサーをしてまでも強くなろうとする朝香果林。でも彼女の見据える優木せつ菜の強さは、プロフェッショナルではなく「ダイスキ」というアマチュアな部分にあるんですよね……しんど……。
まあ、物語は物語として。朝香果林、せつ菜とのライバル関係やカード性能も含めて、すごく面白い立ち位置にいるなと思いますね。(唐突のタイトル回収)
彼女の事を劣化だの要らない子扱いするのは完全にランジュの価値観でしかないけれど、それでもせっかく部にいったんだし環境に食い込めるめっちゃ強い果林さん実装されてあげてくれと思わなくもないです。
朝香果林、報われてほしい…(でも、そういう『弱い私』を魅力的に演じてしまうのも朝香果林だよな……)
*1:
darkphoenix505pianoles.hatenablog.com
*2:ただ、第1回SBLみたいに輝ける場所が来ることもあるので、一概には言えないんですけどね。
ちなみに、キャラの性能を理解した上で、それが活きる環境を待つというプレイスタイルもあります
*3:ここでカード画像にするの、わざとやってます。果南や千歌に越えられこそすれど、せつ菜は人権レベルの最強アタッカーで、果林の居場所を奪っているカードでもあるので