次回→更新され次第
さてさて、大波乱を見せた20章から一か月。早速追加されたストーリーを読み終わったので、初見の感想をまとめておきます。
コミュニケーションを取れよお前ら!!!!
第4話 『ランチタイムを共に』
20章でランチ断ってたことに関して、「だから話が平行線なんだろ!」と思っていたところなので、やっと同好会とランジュの会話が垣間見れると期待したのも束の間。
彼方以外まともに会話しとらんやんけ!!!!!
そういうとこだぞお前ら!!!……まあ、こういうときに真っ先に話すべき内容に切り込んでいく朝香果林が部側なので、発端がないといえばそれはそう。
まあ、ここでバトルして話が進んでしまうと、1章分じゃ終わらなくなりそう。とはいえ、さっさと部長入れて話し合えよお前ら!と思ってはいたので、あーコミュニケーション能力が無いんだなと理解させる意味合いはあったのかな。
伝える言葉を持っている事って、本当に大事です。それができなかった先輩たちは、スクールアイドル辞めそうになったり2年間喧嘩し続けたりと大問題を起こしているので。
そういう意味で、少なくとも璃奈、歩夢ちゃん、しずくの有能さは目立ちますね。普段なら、こういう立ち位置は栞子や果林みたいなブレーン的な子なんでしょうけど、こういう場面で普段他の子に隠れて見えない部分が見えるのもとても面白かったです。
歩夢『ちゃん』を付けろ!!!!!!!
歩夢って呼ぶなよ!てめえ、幼馴染面してんじゃねーよ!ファンならあゆぴょんもしくは歩夢ちゃんって呼べよ!むかつくんじゃぼけぇ!歩夢ちゃんを穢すんじゃねーよ!てめえだけの歩夢ちゃんじゃねえんだよ!ふざけんなよ。黙って見てれば調子に乗りやがって!お前に歩夢を渡さない
苦悩する大女優
しずくのモノローグ、とてもよかった。
「あいつより正しい事をやっている」「あいつに負けているはずがない」
そうやって自分に言い聞かせ、納得しようとしているシーンも、そうやって目を逸らし続けてきた中須かすみの輝きに、どうしようもないぐらいに魅了されてしまうところも。
敗北者として、語り手としての適性が高いんですよね。桜坂しずくというキャラクター。キズナを中心とした『物語の朗読』という魅せ方を持っていることもあり、言葉による心情描写ならメンバーでも頭一つ抜けているし、思想やモチーフは敗北者の先輩と共通するものが多いし、打ち倒されたり、躓いてから立ち直るまではこの子はメンバーでも最速です。
そういうのもあって、やっぱり桜坂しずくおもしれー!って思いましたね。アニメ第8話と合わせて、最近この子がとても気になってきています。
『用意された物語』ではなく、『あなたの物語』のヒロインになりたい。
これまで、描かれてきたのは、『あなたの物語』と『私の物語』を重ねることで物語が生まれ、そこから生まれた物語すべてを演じ切ることが、桜坂しずくのスクールアイドル像だという物語でした。
だから、「最高の物語を用意できる部」と「あなたの物語を用意できる同好会」だったら、しずくにとっての居場所は同好会なんですよね。
手の届かない仲間に勝つために、仲間と対立する組織に入ることで、「そこには無かった『自分に必要なもの』」を知る。『仲間でライバル』な虹ヶ咲ならではのストーリー。とても熱かったです。
「勝者」である中須かすみ
さて、部で圧倒的にパワーアップしたはずの桜坂しずくに「一番かわいい」と言わしめた中須かすみ。歌もダンスも圧倒的に自分のほうが上手いはずなのに、どうしてあんなにも、「届かない」ような気がしてしまうのでしょう?
これ、特に1stLiveからの虹ヶ咲を追っている人には既視感のある感覚だと思います。だって、一番未熟で、一番うまくいっていないはずの中須かすみは、今までずっと「勝者」であり続けたからです。
マンスリーランキングこそ、勝者というイメージは優木せつ菜に譲ってはいるものの、例えば1stLiveDAY2のアンコールに呼ばれたのは中須かすみです。「自分が下手だから呼ばれなかったんだ」と悔し涙を見せるメンバーもいましたね。
でも、当時の私たちが終演後どんな反応をしていたのか覚えていますか?圧倒的インパクトの『オードリー』『Wish』擁する桜坂しずくや朝香果林の話が印象に残っている人も多いと思います。
私自身もDAY1時点では、DAY2はしずくだろうなと思っていたし、当日は果林の可能性も考えました。
選ばれたのは中須かすみだったんです。パフォーマンスがよかったから?いいえ、私自身もそうでしたが、少なくともあの時点では大西亜玖璃さんや相良茉優さんはわりと「未熟」の烙印を押されているような、そんな風潮はあったと思いますよ?
キャラ人気?いいえ、スクスタリリース直後の環境で人気もクソもないし、果林なんてかすみと2位争いしていたでしょう?
無敵級*ビリーバー。『優木せつ菜が敗れた』と言われたりしていましたね。とはいえせつ菜もそうではありますけれど、アンコールで出たり別の場所で選ばれている子は票が集まりにくかったとは思います。
そう、中須かすみ、「勝者」としての印象が強すぎるんです。彼女自身も、自分自身の魅力を信じて(少なくとも見える場では)疑わない。最後まで同好会に残り続けていたのもかすみだったし、アニメでもしずくや璃奈へ、迷う相手を導く側として送ったメッセージも印象的。
私自身、どうして彼女が「勝者」として選ばれるのか分かりません。人気があるから、と言えばそこまで。でも、どうして人気があるの?歌もダンスも他の子のほうが上手いし、ストーリーもファン活動が上手くいってないみたいだし、「優れている」要素なんてないじゃん…。*1
でも、そんなキャラクターだからこそ、全章も含めて、「絶対に屈しない」「手の届かない勝者」であることの説得力がありすぎるんです。それもあって、先述のしずくの苦悩のリアリティにさらに拍車をかけていたし、彼女中心に描かれる同好会に価値があり、そしてそれに影響され覚醒した桜坂しずくを通して間接的にミアの心を揺らすという事の説得力がすごかった。
まあ、だからこそそうしたかすみの根源にあるもの=「部ではなく同好会である理由」がダイレクトに描かれなかったのは残念ではあるんだけれど、それを描く時はラスボスであるランジュとの最終決戦の時であるという事は理解できるので、途中経過としての満足、といったところはあります。
「正しい」って何だろう?
さて、引っかかっている点。
「許す」「許される」という描き方や、「分かってなかった」「間違っていた」という言い回しがとても気になります。
たしかに、しずく視点からしたら問題はありません。一度離れた場所にもう一度入れて貰うわけですし、実際自分に必要なものが見えていなかったのですから。
でも、第三者視点、特に部長(=読者)視点からみると違和感が凄いです。
だって、これ「分かってる」「分かってない」の問題じゃないでしょう?しずくにとってはこう、かすみにとってはこう。それの一致する部分が見えてたかどうかで揉めてるだけで、それって絶対的な真理ではないんですよね。だから、「分かってる」「分かってない」って言い回しが凄く奇妙に感じます。それがまるで絶対的に正しいかのように聞こえて。
少なくとも、「同好会は正しくて部は間違っている」って話ではないでしょう?桜坂しずくにとって「部にいるより同好会にいるほうが適している」というお話であって。
20章の感想で触れたように、ランジュと同じくかすみも自分の価値観を絶対的に正しいと信じ込んで他の価値観を認めないような一面もあるので、10話という配置もあり、引き続き中須かすみの「ランジュと同じ未熟さ」を描いているのかなとも取れますが、「部は間違っている」という描写にも見えるので、ちょっとモヤっとするシーンではあります。
敵役であること、対立していることと「悪人」であることって違うんですよね。監視委員会をどうとらえるか*2は置いておいて、少なくとも「悪」という要素はない以上、部に与することが「分かっていない」と言われると疑問符が付きます。
なんならこれシンジとサトシみたいなそういう軸の対立でしょ?
ここは今後の描写次第ですかね。
1時間で読んで、一時間半ぐらいで書いたので、今までよりは早いと思うんですけど、字数を見るとまだちょっと執筆速度が遅い気もします。
桜坂しずくみたいにボキャブラリーを増やしたい~!