#てつがくのドンカラス

それでは皆さん元気よく!不意打ち追い討ち?桜内!得意な技は?タイプ不一致!

闇へと…… 声よ駆け抜けろ

 


 善子がセンターのこの曲。本格スマホエロメンコ(本格スマホEsports)(スタイリッシュじゃんけん)Shadowverseとスクフェスとのコラボ楽曲でもある。

 

 ラブライブ!の曲では今まで聞いたこともなかったようなダークな言葉たちで構成され、善子のシャウトも魅力なこの曲、とても好き。シャドバのグランプリの時にこの曲のオフボが対戦BGMに使われていたけれど、めちゃくちゃかっこよかったので発売してほしい。

 

 

 津島善子というキャラクターはとても数奇な運命の星の下に産まれてしまったようだ。コラボが発表され、善子がコラボ投票で見事1位となり、そしてゲーム内では『ヴァンパイア』クラスのリーダースキンとして使えるようになった。ここまではよかった。だが、彼女は「不運」なのである。

『ヴァンパイア』というクラスは、自分自身を傷つけることと引き換えに強力な性能を持つカードを花形としているクラスである。また、追い詰められれば追い詰められるほど威力の増すカードもある(=だから先述の自傷は実質メリット)。そんなクラスだから、基本的に対戦環境の中心に居座って暴れまわっている上に、新規で凶悪なカードが追加された時には使用率50%に勝率60%というわけのわからない数字を叩き出したりもする(こんなんだから蔑称が多いゲームでもある)。

 そして、善子が『ヴァンパイア』として実装されることが決まった時は、ちょうど『ヴァンパイア』には超絶ぶっ壊れカードが存在し、環境を一色に染め上げる暗黒期だった。

 当時、別作品とのコラボ直後だったShadowverse。あまりの環境の酷さ、そしてカードの理不尽さに『ヴァンパイア』はユーザーからの凄まじいヘイトを買い(とか言いながらみんなクソクソいいながらヴァンプ使うしかなかった)、『ヴァンパイア』担当のコラボキャラへの中傷が検索で一番にサジェストされたほどだった。

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 え、こんなクラス担当になるとか貧乏くじじゃん!とか言っていた記憶がある。

 

 

 とはいえ、セクシーヴァンパイアのナーフ(カードの下方修正)によってそんな心配は杞憂に終わり、迎えたコラボ。実際に始まった環境では、クラスの相性的に善子が他全般に強気には出れるが花丸の『ビショップ』だけには一方的に不利が付きがちだったり、梨子の『ネメシス』が千歌の『ドラゴン』には逆立ちしても勝てなかったり、なかなか面白い事が起きたりもしていた。

 

 

 そしてスクフェスでのコラボストーリー。とてもよかった。本編では千歌が牽引してきた物語を描いてきたが、今度はその牽引役に善子が就任する。

 千歌とちがって、『特別』を信じることができる善子だからこそ、自分だけでなくあの世界に生きるすべての人々の特別な力を信じることができた。

 

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 私たちの良く知る物語では、善子の信じた『特別』は桜内梨子という理解者を通じて、主人公高海千歌が大きな波を起こすカギとなった。今度は主人公となった彼女が、彼女自身の言葉で共鳴により起こる波動を巻き起こしていく。とても完成度の高いストーリーだった。

 

 

痛みが 嘆きが 君の夢を貪る

でもまた 光が君の夢を照らすよ

誰かの鼓動が 君の胸に重なるように

壊れそうなこの世界で 出会ったのは偶然じゃない

君とのResonance 感じてる

闇へと…… 声よ駆け抜けろ 

  高海千歌桜内梨子は出逢いを奇跡だと語ったが、津島善子はそれを共鳴だと歌う。既に最初から「自分は何者なのか」を確立していた彼女らしい言葉だと思うし、そんな彼女の言葉と世界観で描かれるAqoursの世界観を惜しむことなく発揮した『Deep Resonance』。彼女を読み解いていく上でも、そして彼女の見た世界と共鳴するのにもぴったりな素敵な曲だと思う。

 

 

 

 

 貧乏くじを引きがちだったり、誕生日記念ソロアルバムが時期的に一番最後になったりと、計算されてか偶然か『不運』っぷりを発揮する善子。天運が彼女自身と共鳴してしまったのか、それとも『不運』だからこそそんな役回りを担当するのかは誰にもわからない。

 でも、そんな不運のなか、それを自分自身の特別だと捉えなおして行く彼女。そんなキャラだからこそ、度重なる『不運』すらも愛おしく思えてしまうのかもしれない。タイムラインで沼津市が市を挙げて前夜祭をやっているのを見かけたり、Aqoursの他の子たちの中でも特に愛されてるように思える。

 天が味方してるような人はいても、天が敵になったような子はなかなかいないし、それを魅力にしてしまう津島善子。なんとも不思議なキャラクターだと思う。