好きの反対は無関心とか言ったりするけど、視覚的、聴覚的に人の注目を引く事ができれば、それは恋の始まりなのかもしれない。
出逢った時は貴女のことを知らなかった。綺麗だったから目に入ってきた。それだけだったのかも知れない。でも、貴女はそれからずっと私の眼の中にいた。私も自然と貴女を追っていた。理由なんて分からないけど、でも、貴女が私の気を引いていた事は確かだと思う。
そうして、ちょっとずつ貴女が好きになっていった。追い詰められて、もう後がなくて、そんな時前を向こうとする貴女が好き。他人事なんかじゃない。貴女の目の前で起きたことは、確実に貴女を変えていって。いや、変えられたんじゃない。変わろうとしていたんだ。
今まで、綺麗だとか可愛いだとか思ってた貴女が、かっこよく見えた。貴女の強さは、勇気を持ってるだとか、前に進めることとか、そうじゃないけど。勇気を出せるようになろうとするところ。前に進もうとする事。
貴女はヒーローじゃなかったかも知れない。でも、今私たちの知っている貴女は、確かにヒーローなんだ。
たぶんヒーローはいつでも正しくて、かっこよくて、迷わず進んでいけるんだろう。でも、間違えても、かっこ悪くても、迷ってたって、誰かを変える事はできるし、ゴールにはたどり着けるんだって知った。
貴女は自分はかっこいいヒーローに救われて、そして自分の事をヒーローだなんて思ってはいないでしょう。でも、そうやって歩いている貴女に惚れ込んだ人たちがいるんだって事を知ってほしい。
迷ったり間違えたりしながら進む貴女はかっこいいんだ。私にとって貴女はヒーローなんだって。
貴女の紡ぐ言葉が好き。貴女の出逢いの意味も、見えている世界も、進む未来でさえも、全部貴女の言葉が創り上げているんだ。一番欲しい言葉は、いつだって貴女が掛けてくれたよね。
貴女の優しくて、それでいて凛とした声で紡がれた言葉たち、メロディーたちが、誰かの光になった事、誰かの心を震えさせた事。そうやって君に逢って、君の言葉で何かが変わった人たちを私はいっぱい知ってる。私もその一人だし、そしてその一人であることを誇りに思う。
今前を見てる貴女が好き。不安や迷いがあっても、それでも前を見つめる貴女の目が好き。震えながらも延ばす指先はとても綺麗だと思う。今の貴女は、嫌な事も逃げ出したいことも、楽しい事も嬉しい事もいっぱい経験して、そしてそこに立ってるんだよね。私が好きなたくさんの貴女が、今の貴女を作っていて、そしてそんな貴女はまた私の心を奪っていく。
貴女がそうやって見つめる未来の先。夢に向かって一歩ずつ進んでゆく貴女の道。これからの長い旅路の中、私をずっと貴女の側にいさせてください。
