遠くから聞こえたよ ここにおいでって
誰の声かはわからない でも聞こえたよ
まだまだいっぱいあるんだ 話したいこと
待ってるだけじゃ伝わらない
だから…来たのさ!
僕は演者、創作者と作品を見るとき、仮にこの作品を他の誰かが共通のテーマで描くとして、その中での「この私の描く作品のアイデンティティ」といったものを重視する人間です。歴史を題材とした作品が好きな人は、特に共感して貰えると思います。
真田幸村という人物を演じる事を通して見える、上川隆也さん、堺雅人さん、真田幸村によって描かれる三谷幸喜さん、中島かずきさんの魂。そういったものが、僕は大好きです。
そういったものの素晴らしさをもっと知ってほしい。作り手の魂をもっともっと感じてほしい。Aqours CLUB高いのでは?と手を出さない人が多いように見受けられるので、ここではそういった金銭的価値の面からも、このサービスの価値を説こうと思います。
コストパフォーマンスとは?
みなさんはコストパフォーマンスという言葉をご存知でしょうか?あるものが持つ費用と効果を照らし合わせた度合いの事で、対費用効果とか言われたりします。
最近流行りのVTCGに触れている方には理解が早いと思います。
有名なshadow verseから。まずこのカードを見てください。
コスト、つまりこのカードを使うのに必要な対価はPP2。PP2払う事によって得られる物は、攻撃と体力が共に2、進化すると4になるフォロワーを盤面に出すことです。
次にこれらのカード。
これらのカードを使う事、つまりPP2払う事によって得られる物は、攻撃と体力が共に2、進化すると4になり、進化権を使った時にそれぞれ効果を発揮するフォロワーを盤面に出すことです。
もちろん、体力11の盤面無しヴァンプに進化置きしたい!ツバキ出るの知ってるけどヘクトルの横に進化置きしたい!など限定的にファイターが勝る事はありますが、青で書いた同じ払った対価に対して、得られる物が、緑で書いた分だけ多い事が分かります。
同じコスト2であるのに、ファイターと比べてバリューの高いリリエルとフェリア。これを、「コストパフォーマンスが高い」と言います。コスパとは相対的な物なのです。
また、見落としがちですが、コストそのものが高ければ高いほど、同じ単位で比較したコストパフォーマンスは高くなります。
スクフェスの勧誘もそうですよね。単発勧誘より、11連した方が石1つあたりの仕事量は大きくなります。同じ単位で比較するため、単発を10回したとしましょう。
石50個の消費により、単発勧誘10回だと、10回勧誘と補助チケ1枚を得ます。11連勧誘は、石50個の消費により、10回勧誘と補助チケ1枚に加えて、補助チケチャージ1とSR以上確定勧誘が1回付属する事になります。
当然ですよね。もし単発10回の方がコスパが高いなら、誰も11連(?)を回さないと思います。
コストパフォーマンスについて、これでご理解いただけたでしょうか?僕の記憶が正しければ、中学の社会の授業での既習範囲だと思います。為替とか需要供給の事で、直接ではありませんが絡んでくるので、ここを理解していればこの話もご存知だと思います。記憶違いだと困るので、一応説明を入れておきました。
Aqours CLUBのコスパについて
2018年3月11日現在、Aqours CLUBのブログは76回更新されています。計算が面倒なので、このまま6月29日まで更新が無く、75回と仮定して、昨年のLanding action Yeah!!の時の入会費約5000円と照らし合わせてみましょう。デュオトリオCDが約2000円なので、ランアクのCD単品でもそのくらいの値段だと思います。その他グッズは面倒なので0円と計算し、入会費を3000円だと計算すると…
一回のブログの価値は、約40円になります。
比較対象として、類似する内容の物を挙げると、パンフレットがあると思います。
パンフレットの中では内容が濃い方だと思います。キャストインタビューが計9ページ。京極尚彦監督、花田十輝先生、藤澤慶昌氏へのインタビューが計10ページ。1ページグラビアはインタビューとセット計算でいいと思います。1ページ当たりブログ1回計算で、約50円。
ライブのパンフはグラビアの比率が高く、計算がまともにできないので割愛しますが、内容自体はブログ15回分程だと思います。一応参考までに。
データ自体は少なめではありますが、あのμ's劇場版パンフよりコスパいいよ!って言うと、その凄まじさが分かると思います。
Aqours CLUBのコスパはヤバイです。正直、僕はAqours CLUB加入当初はまあ月1とかかなー程度に考えてました。まさかこんなに大量の記事を読めるとは思ってなかったです。
例えるなら、相手が火のマナを3枚使った時、あーエグゼドライブかなーとか適当な事考えてたとするじゃないですか。
ゲ ー ム が 終 了 し た 。
このぐらいのショックはありましたね。なんだこの量は。これパンフにして売れば何億稼げる事か。ブログ15回にグラビア貼って売れば3500円になるのに、それを76回も。たったの5000円で。利益出んのかよこれ、って。ラブカストーン86個でパンフ5枚分。本当にヤバいです。
Aqours CLUBに入ろう
本題です。最初に出した真田幸村の例えはここに絡みます。役者とは不思議な存在で、彼らは作品を作り上げる存在でありながら、同時に作品によって描かれる存在でもあります。
仮に、ラブライブ!サンシャイン!!を全く別のキャストでリメイクしたとしましょう。例えば、そこでは桜内梨子さんが逢田梨香子さんではなく、水沢史絵さんが演じています。(なぜ僕がこの人を選んだのか、水沢史絵さんと僕の趣味を照らし合わせたらピンと来ると思います。)
水沢史絵さんも逢田梨香子さんも、同じ桜内梨子を演じています。その桜内梨子は同じ桜内梨子でありますが、水沢史絵さんの桜内梨子と、逢田梨香子さんの桜内梨子は、違うはずです。
言い換えましょう。作品によって描かれる桜内梨子は、同じ桜内梨子です。ですが、役者によって描かれる桜内梨子(cv.逢田梨香子)と、桜内梨子(cv.水沢史絵)は違います。水沢史絵さんにも桜内梨子を演じる事はできます。ですが、彼女は桜内梨子(cv.逢田梨香子)にはなれない。
とはいえ、桜内梨子を演じる人は逢田梨香子さんしかいないので、正直ピンと来ないと思います。そこで、先程の真田幸村の出番です。
されどわたしはおまえを討ち果たさねばならぬのだ!
我が父のため!
我が友のため!
先に死んでいった愛する者たちのために!
これが、真田幸村役堺雅人です。真田丸によって、三谷幸喜さんによって描かれる堺雅人です。堺雅人さんと言われると、半沢直樹やリーガルハイを想像する方が多いと思います。彼はそういった、“己の信念を貫き立ち向かう男”を演じてきました。これが“己の信念を貫き立ち向かう男真田幸村”です。“己の信念を貫き立ち向かう男”によって描かれる真田幸村です。
この真田幸村を、上川隆也さんは演じる事はできません。ですが、舞台真田十勇士の真田幸村を、堺雅人さんは演じる事はできません。
僕は上川隆也さんをよく知らないので、何が上川隆也さんらしいのかを語る事は出来ません。ですが、この舞台で描かれる真田幸村は、“夢を語り何度でも立ち上がる男”でした。何度も敵兵に斬りつけられ、倒れても起き上がり向かっていくその姿は、折れず貫く堺雅人さんとは違うものでした。上川隆也さんの真田幸村は折れます。自暴自棄になります。倒れます。屈します。それでも立ち上がるのです。
話をAqours CLUBに戻しましょう。僕たちは、Aqours一人一人の事を、G'sやスクフェスによる個人描写から垣間見る事ができます。そして、そのAqoursの語る夢、彼女たちの想いを、アニメやライブから受け取ることができます。では、その Aqoursを演じるのは誰でしょう?
言い換えましょう。どんな人間にAqoursは描かれているのでしょう?その人にしか描けないAqoursとは何でしょう?
Aqours CLUBは、キャストにより綴られるブログで成り立っています。キャストがどんな人間なのか、何を思って舞台に立つのか。そういったものを垣間見ることができます。
「泣くもんか」
高海千歌のこの台詞が、伊波杏樹さんの物だという事は有名だと思います。逆に言うと、この台詞は伊波杏樹さん以外の高海千歌は言いません。誰が描く高海千歌も、同じ答えを出すでしょう。劣等感と自己否定で形成されながら、それでも前を向こうとする。彼女はそういう子です。それを、演者である伊波杏樹さんは、「泣くもんか」と表現した。前を向き続ける事への誓いに、この言葉を選んだ。これが、高海千歌(cv.伊波杏樹)です。伊波杏樹さんが高海千歌を演じる理由、彼女が高海千歌として選ばれた理由です。
伊波杏樹さんも、インタビューで自分がネガティブな事を漏らしていました。Aqours CLUBでは、そんな彼女がどれだけ他の人に支えられているか、そう言った想いが赤裸々に綴られていました。そんな彼女だからこそ、「泣くもんか」という言葉を選んだのでしょう。涙は人に見えてしまいますから。
2.5次元コンテンツとして展開してきたラブライブ!の最大の強みは、このキャラ(cv.キャスト)だと思います。巫女ではないんです。中継でもない。キャストがキャラである必然性が生まれた時、初めてプロジェクトラブライブ!はそのプロジェクトの本来の姿を見せる事ができます。
さて、自分語りをしましょうか。サンシャイン!!のアニメの中で描かれたのは、憧れと現実の食い違いに悩む弱い人間の姿。その姿に既視感を抱いた方も多いのではないでしょうか?
僕はこの人でした。
信じる物を全て失い、縋るものを見つけて迷う彼女の姿に、僕は自分と桜内梨子を重ねていました。自分もこういう人間だな、と。
そうして、アニメの終盤、彼女は語ります。
自分が選んだ道が間違ってなかったって、心の底から思えた。辛くてピアノから逃げた私を千歌ちゃん達が救ってくれた。千歌ちゃん達との出会いこそが奇跡だったんだって。だから、勝ちたい。…この道で良かったんだって証明したい。今を、精一杯全力で心から、スクールアイドルをやりたい!
見たか世界よこれが桜内梨子(cv.逢田梨香子)だ。誰が描いても桜内梨子さんはこの答えに至るはずです。でなければ彼女はピアノを弾く役割を割り当てられません。演奏とは練習を積み重ねて初めて出来る物です。注目すべきは、「スクールアイドルをやりたい!」のところ。時間があればもう一度見てみてください。本当に強い言い方をしているんです。言い切っているんです。
忙しくお金も無い僕はあまりラブライブ!のキャストインタビューを追う事ができません。ですが、Twitter、Instagram、そして一番はAqours CLUBによって、僕は逢田梨香子さんが、断言する人間だと知っています。彼女の紡ぐ言葉の裏から、その強さを何度も感じました。彼女は言い切るんです。
だから、「スクールアイドルをやりたい!」は桜内梨子(cv.逢田梨香子)なんです。あの桜内梨子を描ける人間は他にいません。あの台詞、逢田梨香子さんが何度もやり直した程大切にしたの、有名ですよね。
そして、ここからがプロジェクトラブライブ!です。その桜内梨子(cv.逢田梨香子)は、そう語った後、こう歌うのです。これは桜内梨子ではない。「スクールアイドルをやりたい!」と断言した桜内梨子(cv.逢田梨香子)によるライブ、そう、これがラブライブ!なのです。
MY NEW WORLD
新しい場所 探すときがきたよ
次の輝きへと海を渡ろう
夢が見たい想いは いつでも僕たちを
つないでくれるから笑って行こう
イマを重ね そしてミライへ向かおう!
断言したから笑っていけるのです。断言できる人間だから、ミライに向かう資格があるのです。これが、この曲を歌う桜内梨子を、逢田梨香子さんが演じる理由です。逢田梨香子さんが桜内梨子である意味です。これが、プロジェクトラブライブ!であり、2.5次元コンテンツです。
Aqours CLUBは、演じないキャストを見る事ができる数少ない場所で、その中でも圧倒的にコスパが高いです。僕はもっといろんな人にプロジェクトラブライブ!を感じて欲しい。自分の好きなキャラを演じる人間がどんな人なのか、もっともっと知って欲しい。