まだ見てない人は絶対読むな。今回はリザードンについて。
今回の映画のリザードンに少し違和感を抱いた人は多いと思う。前回も触れたが、このリザードンはゴウカザルの様な立ち位置のキャラとして描かれていて、みんなが大好きなアニメのあのリザードンとは全く違うものであった。
…オレとしてはお前なんかもういらない。
弱いリザードンなんか、いらない!
リザードン、お前の行き先はこっちじゃない、…あっちだ。
…リザードン、強くなれよ。
世界一強いリザードンになったらまた会おうな。
…さよなら、さよならリザードン
古参を釣るため、改変と言ってしまえばそれまでだが、正直リザードンでお涙頂戴したいなら、バタフリー関係あたりを全てカットしてアニメ通りのリザードンを入れればいい話である。だから、正直なぜ出てきた?と思う所はあった。
ここで発想を変えてみよう。ここまでしてリザードンを出したという事は、何かリザードンを出さないといけない理由があるのだ。
さて、少し話を変えると、この映画はサトシとピカチュウの映画であり、ホウオウの映画であるわけだが、こう思った人はいないだろうか?
「ピカチュウvsホウオウのバトルの描写短くね?」
確かに、マーシャドー戦と比較しても短く、10万ボルト1発と聖なる炎2回だけしか見せてくれなかったのである。ピカチュウvsホウオウと言う、サトシの相棒vsサトシの夢の象徴の戦いがこんなに短くていいのか…
いや、そうじゃない。
冷静に考えると、ホウオウと戦うべきポケモンはピカチュウではなく、リザードンなのだ。
何故か。ずばり、画面映えしないからだ。ホウオウが鳥ポケモンである以上、そこで視聴者を引きつける名勝負を魅せるには、ホウオウの相手は飛べるポケモン以外あり得ない。
所謂名勝負と言われる様な勝負は、両者動き回り絶え間ない応酬を続ける勝負と、間合いを取り一撃一撃打ち合う様な勝負に分けられるだろう。前者はジュカインvsゲッコウガやゴウカザルvsエレキブル等で、後者はリザードンvsゲッコウガや、リザードンvsカメックス等が挙げられるだろう。ちなみにサトシが得意とするのは前者である。
さて、こういった勝負をホウオウと繰り広げるにあたり、繰り返すがホウオウが鳥ポケモンである以上、飛べないとまず話にならない。空を舞うホウオウに対し、飛べないピカチュウが走り回り動き回り目まぐるしい攻防を繰り広げるのは、かなり無理があるだろう。間合いを取るにしても、相手は飛べるので、その主導権を握る事は不可能。リザードンvsゲッコウガのように、リザードンを着地させ殴り合わせようにも、今度は着地したホウオウが全く映えない。
だから、ホウオウと戦い、勝利しサトシの夢を叶えるポケモンは、ピカチュウではなく、ホウオウと同じく空を飛ぶことが出来るリザードン以外には絶対にあり得ないのだ。
サトシが世界一のポケモンマスターになるという夢を共に追いかける相棒はピカチュウ、その夢を叶えるのはリザードン。どちらもサトシを描くにあたって欠かす事のできない存在なのだ。
だから、今回の映画にリザードンが出てきたのだ。パラレルワールドに分岐(ウルトラホールが関係?)しても、サトシはサトシだ。サトシである以上、ピカチュウと共に歩まず、世界一強いリザードンを使わないのはあり得ない。内部設定ぐらいに考えてもらって構わない。例え3つ目4つ目のパラレルワールドがあったとしても、サトシはヒトカゲと出会い、そしてそのヒトカゲは世界一強いリザードンへと成長するだろう。
もしかしたら、3つ目4つ目のパラレルワールドのリザードンは、スランプで技が出せないときにサトシの愛情を感じ、悔しさや不甲斐なさをバネに覚醒するかも知れない。仲間になるまで時間差があり、最初は負け続けるが少しずつ勝つようになるかも知れない。もしかしたら、メガリザードンZになるかも知れない。
しかしどんな世界でどんな描かれ方をされようと、リザードンはサトシの中で最強のポケモンで、ピカチュウに劣らず欠かせないポケモンである事には変わりはない。