チンパンジー以外は読めない文章

ドンカラスは津島善子だから、俺は実質歩くよしりこ。

キミにきめた!考察 1

まだ見てない人は読むな。

 

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 脚本の構成から気付いた話。

 今回の映画のストーリーは、色々とアニメのポケモンシリーズと重なるところが多いように見える。

 

 最初から振り返って見ると、ピカチュウとの出会いの後から、無印や金銀に見られる(SMもそうだが大事なのはそこじゃない)「純粋なポケモン世界」の描写がとても印象的だ。

 例えば、キャタピー捕獲、バッジゲット、伝説のポケモンにワクワクするトレーナー達、流れ弾が野生に当たってブチ切れ…これら全てが「純粋なポケモン世界」というテーマで結び付く。

 

 

 ここから話は動き始める。クロスのヒトカゲが登場してから、リザードンガオガエンを倒すまでの流れだが、既視感を覚えた人は多いだろう。

 捨てられたポケモンをサトシが引き取り、一度は負けるも、強くなって最後の最後で捨てた相手を倒す。

 

 そう、こいつだ。

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 従って、ここの範囲は「トレーナーとしてのあり方、戦い方」を描いたAGDPと言っても差し支え無いだろう。なぜここをリザードンでやったかは、また別の機会に語るとして、ここの流れを見ていこう。

 

 まずクロスに捨てられたヒトカゲのシーン。前のポケモンの世界観というテーマと多少まだ被りはするが、ここで大事なのは、クロスというトレーナーの信念だと思われる。「彼には彼なりの信念があるのは分かるがやり方はおかしい」というソウジの言葉が全てを表している。

 

 その後の、ソウジの過去、それぞれの夢、パートナーとトレーナーが暖め合うシーンなんかは、「トレーナーのあり方、戦い方」そのものだ。

 

 そして、クロスのガオガエンに敗北。

 ここは敗北した事より、その後が重要だ。この後、サトシがスランプに陥る訳だが、違ったやり方を貫く相手にボコボコにされてスランプになるこの展開は、DPのエイチ湖のシンジ戦の後の展開と重なるものがある。

 ピカチュウなら勝てたのかな発言はリザードンの話なので割愛して、勝つことが全て(それ以外を全て切り捨てるという意味での)だと思い、己の実力を認めようとしなかったサトシは、ついにまさかの一言を放つ。

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 アニメでサトシがこうしたスランプに陥ることは少ないが、スランプの時は大抵自分の軸が揺らいだ時だった。エイチ湖では自分のやり方を貫くシンジの本気の前に打ちひしがれ 、最近では自分に憧れるショータの急成長に焦り、どちらも、「ポケモンと“一緒”に強くなる」という軸を揺るがされている。ここを乗り越えた後はめちゃくちゃ強くなるのは、言うまでもない。

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 この後、マーシャドーピカチュウがいない世界という悪夢を見せられ、自分を取り戻すサトシ。この後ピカチュウを抱きしめるサトシに目頭が熱くなったのは俺だけじゃないはずだ。

 悪夢から10年前のダークライをちらりと連想させるのも、もしかしたら脚本家の悪戯なのかも知れない。

 

ここから話は飛んでバタフリーとの別れについて。バイバイバタフリーを思い出してここは涙が溢れた。ここについても、トレーナーとしてのサトシらしさが見える。サトシ自身は別れたくないと明言している。だが、サトシはバタフリーを送り出す事を選んだ。ここで決定権を持つのはサトシだ。別れたくないなら引き止めてもいい。だがポケモンの意思を尊重し、優先する決断ができるのは、「ポケモンと“一緒に”強く」なり、ポケモンと友達になりたいサトシだからだ。

 

 

 そして、リザードンvsガオガエン。ここはゴウカザルvsエレキブルをそのまま重ねていい。劇中で描写こそ無かったが、ここはサトシがホウエン地方バトルフロンティアで身につけた戦術や戦略、シンオウでのテーマであるポケモンと一緒に強くなること即ち、トレーナーとしてポケモンの力を最大限に引き出す事がそのまま描かれている。

 火炎放射をかわしながら切り裂くを決めたり、相手の後半の強さを知り、短期決着を狙うなど、そう言ったトレーナー自身の成長、そして一緒に戦うポケモン自身の成長が、リザードンへの進化の鍵となり、勝利に繋がった。トレーナーサトシが、トレーナークロスに勝ったのである。

 

 

 

 さて、ここまでサトシというトレーナー自身の話をしていたが、ここからは、BWやXYの「ポケモンとトレーナーの関係」に話が移っていく。プラズマ団(特にN)やサトシゲッコウガなんかを思い浮かべて貰えるとすんなりと分かると思う。あいつらはポケモンと人間の「関係」の部分を身体で表している。

 

 悪い心を持つクロスが触れて羽が汚れてしまったせいで、マーシャドーがその場にいた人間を排除しようとする所だが、ここでサトシみたいな汚れてない人も含めて全員人間として扱い、人間=排除という思考で行動するマーシャドーに、ボルケニオンを感じたのも、脚本の悪戯だろう。

 羽を取り返しに走るサトシを助けるマコトやソウジの、パートナーとの息の合った動きは、ポケモンと人間の関係あってのものだし、クロスがルガルガンの目を覚まされる所なんかもう明らかだ。クロスもルガルガンも、最強になりたいんだ。ルガルガンガオガエンの強さを理解したクロスの下で、強いクロスを信頼したルガルガンガオガエンが全力で戦う、故に最強。お互いにこれをただひたすらに追い求める。これが彼らの関係だ。

 

 そして、なんと言ってもサトシとピカチュウの関係。マーシャドーvsピカチュウ。サトシとピカチュウの息の合ったド派手なバトルにただただ画面に釘付けになった人が大多数のはず。そして傷ついたピカチュウを必死に庇うサトシ。

 

「お前ら、俺を誰だと思ってるんだ!

おれはマサラタウンのサトシ。

おまえらなんかには負けない。

みんなまとめてゲットしてやるぜ!!!」

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号泣。死亡。ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい。

 全ては第1話で語られていた。ポケモンが大好きで、ポケモンを守る為には全力で戦う。(またボルケニオン)ポケモン達も、そんなサトシが大好きだから、全力で戦う。これがサトシとポケモンの関係だ。彼らを結ぶのは純粋な「好き」って気持ちだ。好きだから強くなりたい。好きだから世界一になりたい。そういう事だ。

 

 もちろんこの「好き」は一方通行ではない。ポケモンもサトシが好きだ。アニメでも、サトシの為に強くなったリザードングライオン、サトシと一緒に強くなったゴウカザルゲッコウガ、大好きなサトシの想いに応えスランプを乗り越えたジュカイン…などなど枚挙に暇が無い。

 劇中でも、ピカチュウが最後はサトシを守ろうと飛び出したし、傷だらけボロボロで尚、いつもサトシと一緒にいたいからモンスターボールに入りたくない訴える姿を見せてくれた。サトシの帽子を被り泣きじゃくるのも、サトシが大好きだからだ。

 

 そして、マーシャドーによって異次元に飛ばされたサトシを救ったのも、サトシとピカチュウの絆だった。サトシがいる方に迷わず飛び込んだから、また一緒になれたのだ。

 

 ここで描かれているのは、トレーナーとポケモンの絆である事は、また繰り返し言うまでも無いだろう。

 

 

 

 ホウオウとのバトル、それぞれの道は、この映画の話なのでここでは割愛しよう。

 

 

 そして、話はサンムーンに移る。サンムーンのテーマは技、つまり「ポケモン自身」の話である事は明白だろう。アニメでも、サトシはギャグやりながらも、イケメンさこそ無いがXY期とさほど変わらないように見える。また、ポケモンの方は、ニャビームーランドだったり、ルガルガンに憧れるイワンコだったりと、ポケモンだけで完結したドラマがあったりする。(もちろんサトシは介入するがメインはポケモン)

 

 じゃあ、そのサンムーン要素である、「ポケモン自身」とは何か?

 

ポケットモンスター縮めてポケモン

この世界の不思議な不思議な生き物。

空に、海に、大地に、街に、この世界のありとあらゆる場所で目にすることができる。

その数は、100、200、300...いや、それ以上かもしれない。

この少年、マサラタウンのサトシ!

相棒のピカチュウと共にバトル&ゲット。

ポケモンマスターになるために修行の旅を続けていた!」

 

 

 最後は正直多少無理矢理だが、2度目3度目とみる人はこういうことを意識してみると面白いかも知れない。

 

おわり。