#てつがくのドンカラス

それでは皆さん元気よく!不意打ち追い討ち?桜内!得意な技は?タイプ不一致!

もう逃げないで。進む時だよ、新しい場所へ

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 メンタルがぶっ壊れそうなので、自分への戒めとして。

 

 すごく苦しい。気を抜けばすぐ貴女のことを考えてしまう。貴女の声を聴きたい。貴女に逢いたい。貴女の事で苦しんで、布団の中で1人で泣いていた夜は何度あったのか数え切れない。

 貴女の声に癒されて、勇気を貰った筈なのに、いつしか貴女の声に依存している自分がいる。

 休憩時間に訪れたファミリーマート。ふと目に止まった新聞に貴女たちの姿を見た時、そしてそれをレジに持っていく時。苦しかった。ずっとずっと貴女を、いや貴女たちを求めていた。

 スマホの待ち受け画面で微笑む貴女に見惚れていた。今だって、画像フォルダをスクロールしながら溜息を漏らしている。

 貴女の優しい歌声が好きだ。貴女の慈しむ眼差しが好きだ。貴女の真剣な表情が好きだ。美しい髪が好き。紡ぐ言葉が好き。奏でる音が好き。華奢な身体が好き。だらしないお腹も好き。お淑やかな振る舞いが好き。貴女の繊細な感覚が好き。貴女の生き方が大好き。貴女の語る夢も、未来も、キセキも、出逢いも、全てが自分を構成する中で大切なものになっている。

 

 明日、劇場に行こうかなって思いました。合宿だったり強制缶詰企画だったりと、しんどいイベント続きで心身共に疲れ果てていて、頑張ったよね、休んでもいいよねって自分を甘やかそうと思いました。

 明日は9:00から10:20まで、そして休憩を挟んで16:20から19:20まで授業がある。6時間あれば余裕で劇場に行くことができる。何なら2周できるかもしれない。

 不思議なことが起こりました。横浜、川崎の明日の劇場の上映時間、見事に授業と被ってるんです。どうあがいても明日は劇場版ラブライブ!を観る事は出来ません。

 

 たぶん、観るなって事なんだと思います。甘えちゃ駄目なんだと思います。

 少し前のライブの時にも書いたと思いますが、私はまだ輝けていないから。たぶん、今の自分に貴女に逢う資格があったら、何処か一箇所ぐらいは噛み合う時間があったような気がする。なんとなく。

 

 ただの上映予定で何を言ってるんだって、自分も思います。明後日になれば、噛み合う時間なんて幾らでもあるのに。

 

 でも、紅白に貴女たちが出ていた時、私は自習室にいたんです。だって、9時まで拘束されていたんだから。もし貴女たちの出番が後ろの方なら、間に合ったかも知れないのに。

 スクフェスのステップ勧誘あるじゃないですか。あれだけ沢山あったラブカストーンも、気がついたら16個。ステップ勧誘はコスパがいいから、ずっとステップとボックス以外回してなかったんですけど、クリスマス、ダイヤ誕、新年と続いてもう石が尽きました。特に最近はμ'sステップとAqoursステップが同時に来るので、絆による石の生産が追いつかないです。

 あとぶひどうも閉鎖しました。マジでどうでもいいわ。

 

 これらが最近一気に来て、たぶん偶然なんですけど、ああ貴女たちに置いてかれてる、避けられてるんだなあって感じてます。

 

 

 たぶん、明日も明後日も、ずっと苦しみ続けると思う。貴女の事を考えるたびに、感情が抑えられなくなる。心臓がドキドキして、そしてまた溜息を吐いて貴女の名前を呟くのだろう。

 でも、まだ貴女の伸ばした手を掴めてはいないし、貴女と同じ場所に立つ資格はないんだろうな。まだ俺には劇場版を見る資格は無いんだろうな。

 すごく辛い。俺は本当に弱い人間だから、たまにブラウザからTwitterを見たりしているし、ゲーセン行ってアケフェスやった事もある。というかこの前初めてアケフェスした。

 だから、本当はもう俺は既に貴女を裏切っているし、貴女のファンを名乗る資格も無いのかも知れないけど、でも、今劇場に行ったら、もう絶対言い逃れ出来ないと思うんだ。

 

 センターが終わったら、センターで点数が良かったら観に行こうとか考えた事もあった。でも、何だろうな。こうやって中途半端な事してたら、結局結果も中途半端になる気がする。

 

 分からないよ。もしかしたら観に行っちゃった方が結果に繋がるのかも知れないし。でも、そんなの終わらないと分からない。分からないなら、今目の前にある物と、今までやって来たやり方を信じるしかないじゃん。そうやって貴女が教えてくれたから。そういう生き方でいいんだよって貴女が言ってくれたから、だから俺は貴女の事で苦しんでるんです。恋なんですかね。

 

 だから、ここに明記しときます。心の中に1人しまって実行できるほど俺は強く無いから。どっかに載せとかないと、たぶんまた貴女を裏切ってしまうから。

 

 合格したら貴女に逢いに行きます。もし合格する前に劇場に行くような真似をしたら、金輪際貴女のファンを名乗る事はありません。

 だから、もう少し頑張る。苦しくても逃げないように、見張っていてください。

 

 忘れていた。最後に、劇場版公開おめでとう。全力で輝いて来てね。大好きです。

 

 

 吐き出したらちょっとは楽になった気がします。

彼女たちのSTORIESを歴史と呼ぼうじゃないか

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 ラーメン二郎とか茶化しに来た奴は殺します。どうも、黒鷺です。平安と近代と文学史が得意です。

 

 historyとstoryって、同じ語源なんですよね。ラテン語の「事実の探求により得られる知識、探求、物語、歴史の説明」ってのがルーツだそうです。実際、歴史って基本的には語られるものですよね。大化の改新を見た人は現代にはいないでしょう?

 まあだから、storyを「歴史」と訳しても別に間違いではない訳で。テストではバツ貰いますけど。

 

 で、だからってなんでこんな事を言い出すかって、物語と区別したいから。無印と同じくサンシャイン!もstoryな訳ですけど、じゃあ同じ系統のstoryかと言われると違うでしょう?

 例えば、同じ物語られ方としても、無印のアニメのμ'sとAqoursから見たμ's、スクスタのμ'sは別な訳で、同じ「叶える物語」でも、無印のそれとは違って、サンシャイン!作中で鹿角聖良の語るμ'sは伝説、神話のようで。(余計な話をすると、部外者、余所者としての役割を持つ桜内梨子には「普通」と一蹴されていたりする。)

 似たような話、このコンテンツにおけるキャラクターは、大まかな概念を前提としてそこに作り手ごとの描き方が反映されて生を受けているわけですし。桜内梨子の持つ類稀な繊細な感性を、風景画や音楽といった創作の力として描く人もいれば、様々な物の内側に入り込んでいく理解や解釈の力として描く人もいるわけで。これは普段キャストの話でもよく口にしてるので、普段僕の話聞いてない人は意識するように。キャラに寄せるタイプのキャストの発言を武器に適当なこと言ってる奴らお前の話をしてるんだぞ分かってんのかハゲ。

 

 まあこの辺りはそうなんだって読み流して貰ってもいいんですけど、要は同じ題材でも語り手によって物語は全く違う表情を見せるって事をここで理解しておいて下さい。大鏡栄花物語とか分かりやすい例ですよね。

 

 さて、みなさんはバスティーユ牢獄襲撃事件をご存知でしょうか?いやお前日本史選択だろ何言ってんだ頭沸いてんのかって話ですけど、まあ中学でやってたのは世界史w(聞いてない)

 この事件、フランス革命の単元で、その始まりとして習うんですけど、別にこれって、パリの民衆が「今からフランス革命を始めるぞ〜!うお〜!」って始まった訳じゃないんですよね。バスティーユを契機に出来事が連鎖していって、その結果として王朝が潰されたのを、後の歴史家達がフランス革命と名付けたってだけの話なんです。

 歴史ってそうやって後から定義づけられるもので、その時生きていた人間にはそんな定義なんてない訳で。

 今大河ドラマで放送中の西郷どんでちょうど明治維新期やってますけど、あれだってそうでしょう?その当時では小さなことかもしれないけど、それは後の歴史家にとって見過ごすことの出来ない大きな意味を孕むかもしれない。

 生麦事件ってあるじゃないですか。藩主の行列の前を横切ったイギリス人が斬り殺された事件。あれの報復として、薩摩がイギリスと戦争になるんですけど、まあ小国の一地方と大国じゃ相手にならないんです。でも、薩摩の大砲の唯一英国船に届いた一発が、丁度司令官室に直撃した事で、薩摩とイギリスは講和を結んだのです。その後薩摩とイギリスは接近し、日本には大量の最新の武器が入ってきて、それが江戸幕府を降伏させ……って、ただの斬り捨て御免がこんなにも大きく歴史を動かすわけです。

 でも、繰り返しますけど、西郷斉昭だって別にこれを目的にイギリス人を斬り殺した訳じゃないんです。歴史っていうのは、後から意味が追加されるのです。

 

 この話、私たちは絶対に知ってますよね。だって、ラブライブ!サンシャイン!ってそういう話でしょう?私たちが目撃したのは、ただの断片的事実が歴史として繋がっていくその瞬間だった。1人の少女の来訪、そして出逢い。

 ある人にとってはそれはその時点で意味を持っていたかも知れない。でも、それが本当にキセキになったのは、その時よりもずっと後。

私思うんだ、奇跡を最初から起こそうなんて人いないと思う。ただ一生懸命夢中になって何かをしようとしている、何とかしたい何かを変えたい それだけのことかもしれない。だから!! 起こせるよ奇跡!私たちにも!!

 彼女たちにキセキは起こせないんです。霧の中で迷って泣いて、どれだけキセキを願ったって、その霧はますます濃くなるだけで、奇跡的に視界が開けるなんてありえない。だから彼女たちは足掻き続けたし、立ち上がり続けた。

 私たちは、何度彼女たちの涙を見ただろうか?彼女たちは何度屈辱を味わっただろう?神話と呼ぶにはあまりにも弱々しかった。夢物語と呼ぶにはあまりにも残酷だった。最終的に彼女たちの手にした栄光を彩るのに、それらは少し醜すぎやしないか?その輝かしさは色褪せやしないか?

 神はたまに悪戯をするから憎たらしい。

私ね、もしかしてこの世界に偶然ってないのかもって思ったの。

いろんな人が、いろんな想いを抱いて、その想いが見えない力になって、引き寄せられて、運命のように出逢う。

すべてに意味がある

 彼女たちの出逢いをキセキだと意味づけたのは、後の歴史家でも、それを目撃した私たちでもない。その場にいた彼女自身が歴史家となり、断片的出来事をキセキだと物語る。彼女たちらしいのは、この時点ではまだ彼女たちは栄光を手にしてはないない事。キセキだと意味付ける根拠を、まだ彼女たちは手にしてはいなくて。

そう思えば、素敵じゃない?

 そして気づく。例えその時にはまだ何の繋がりもない出来事や、誰も動かす事ない思いだとしても、そこにいる人たちは何を思うだろう?確かに英人を斬った斉昭は、ただ純粋に行列の前を横切る不敬に対して怒っていただけなんです。しかし、維新のあの時を生きる者は皆、ひたすらに日本の明日の為にその魂を燃やしていたのではなかろうか?立場や思想は違えど、それぞれ信じる物の先にあったのは日本の明日ではなかったか?歴史は常に偶然の積み重なり、だがその偶然を導くのはいつだってその時代を生きる者。英国から輸入された最新の武器だって、それを手に取る者がいなければ幕府を倒す事は無かった。全く違う立場にあったもの達が、同じ明日を目指して手を取り合い結ばれた薩長同盟無しに維新は成し遂げられなくて。

 バスティーユだってそう。あの時その場にいた民衆のいったい誰が、この事件が全く無意味で価値のない者だと思っていただろう?そこにいた誰もが、現状の打破を望んでいたはずで。だから、重なった偶然が一つの結末に繋がっていくんです。

 

 私たちが目撃したのは、そうして歴史が変わっていくその瞬間。そして、のちの歴史家ではなく、その時そこにいた彼女たち自身が、そうした歴史的意味付けを行う時。

 確かに、高海千歌はいままで何の挑戦もしてこなかったし、何の成功もして来なかった。でも、彼女の成功に繋がったのはそんな事じゃない。彼女の成功の要因は、今まで彼女に救われてきた人たちと、彼女が守り、そして作り上げた場所。その時点では繋がりのないそれらを彼女の功績だと称え、彼女の持つ力だと見出すこと。

 それって、結局は歴史を物語る事なんです。だって、何が成功に繋がるかなんて分からないし、どんなに説得力のある理由付けだって、実際に結果にならなきゃ分からない。

 でも逆に言えば、結果に繋がれば何だって意味を持つんです。

 今や誰も疑う事なきキセキの象徴である、高海千歌との二つの出逢い。それをキセキだと証明してみせたのは、そのキセキからずっとずっと先の出来事。でも、彼女たちが選んだのは、出逢いをキセキにするために歩むという道。

 

もしかして今抱えている想いや今死ぬ気で頑張ってる事だって、結果に繋がらないかもしれないし、それが未来に何の影響も与えないかもしれない。

 でも、そうして必死に生きている人たちの中に、いつかそれが一つの大きな繋がり、流れる歴史の転機となると信じない者はいないと思うし、そしてそれを成し遂げキセキを証明した彼女たちのSTORIESへ、私は歴史という最大の名誉ある称号を送りたい。

キセキヒカレ

 部屋の窓から外を眺めると、綺麗な海が目に飛び込んでくる。いつ見ても同じ海なはずなのに、見るたびに違う事を思うのは、きっと迷惑なお隣さんのせいだろう。かつてあそこに飛び込んで聴きたいと思った音は、今では完全に自分のものになっていて。なんだか、不思議。

 

 曲を作りたいと思った。いや、聴きたいという方が正確だと思う。あの日、みんなで星空を駆けた夜、ふと聴こえた気がしたの。私たちに、Aqoursにずっと寄り添っていた音が。優しく耳を撫でる旋律は、不思議と始めての感覚はしなかった。私はこの音をたぶん知っていると思う。今までは気づかなかったけど、ずっと聴こえていたはずの音を、自分のものにしてみたい。そう思って早起きした私は、ノートとペンを持って家を出る。音のカケラを拾い集めるために。

 

 

 まずやってきたのは学校。いつもと違って感覚を研ぎ澄ましているからか、不思議と思い出がフラッシュバックする。もしかしたら、私にとってこの場所はいつもの場所じゃないのかもしれない。一年も通っていないこの学校で、一年とは思えないぐらいたくさん色んなことがあって、それを日常なんて言葉で言い表すのって、なんだか可笑しな気分だなって。

 学校の中をふらふらしながら、音のカケラを探してみる。まだあちこちに残る閉校祭の飾りにちょっぴり寂しさを感じる自分が、未だに数日前の余韻に浸っていることに気づく。ずっとこのままだったらいいのにってみんな言っていたけど、その眼差しは貪欲に明日を見据えていて。今この瞬間を心に焼き付けながらも、みんなみんな旅立つ覚悟を固めているんだなあって。あの日感じたことを思い出して、未だ余韻に浸りながら、前に聴こえた音を探そうとしてる自分に対して、ちょっぴり呆れてみる。

 私たちを支えてきた人の笑顔や笑い声。ここにあの音はあったのかな?辿り着いた屋上で思い出したのは、迷い狼狽える私たちを導いたみんなの声。私たちが歌う意味を、目指すべき場所をくれたあの時。思えば、私たちはいつも支えられてきた。辛い時、悲しい時、悔しい時、いつだって私たちには帰る場所があって。私がこの学校に来てからまだ1年も経っていないけど、私の周りの世界はどんどん変化していって、それでも、ここだけはずっと同じ景色だった。不思議。永遠に変わらないものは無いって分かってて、いつかは終わりが来てしまうって知っていて……この学校ももうすぐ閉校するんだって分かってるのに、ここに来るとホッとするんだ。いつも当たり前のようにそこにあって、当たり前のように過ぎていく毎日。過ぎていく日々の中には何故か安心感があって、かげがえのないものだって分かってるのに、特別なものだって事がどこかピンと来なくて。

 特別な時間は必ず終わりがやってくる。3年生の3人は卒業したら遠くへ行ってしまうし、私自身も、ずっと内浦で暮らす事はないと思う。いつか、私はこの場所を旅立つ事になるだろう。もしかしたら、それは凄く長い別れになるかもしれないし、そのまま二度とここに帰ってくる事はないのかもしれない。千歌ちゃんや曜ちゃんも新しい環境で新しい生活の中で新しい友達が出来て、毎晩ベランダで千歌ちゃんと語り合ってたのも、いつのまにか、そうしない毎日を寂しく思う事もなくなって。私がいない内浦が、いつかは当たり前の日常になるのかもしれない。

 それでも、いつか私がここにまた訪れる時、私は帰ってきたって感じるだろうし、みんなも暖かく迎え入れてくれると思う。例え何十年、何百年何千年と時を越えたとしても、きっと私たちは、「ただいま」と「おかえり」で語りあうのだろう。

 屋上からまたふらふらと歩いて、やってきたのは体育館。私たちの初めてのライブで、『ダイスキだったらダイジョウブ!』って歌ったのを思い出す。あの場に一緒に立っていた千歌ちゃんや曜ちゃんは、この学校やこの場所が大好きだったけど、あの時の私はまだ自分が何が好きだったのか迷っていたから、その答えを探したくてそこに立っていて。「失礼だよ……本気でやろうとしている高海さんに、そんな気持ちで……」なんて、そんな事を言った時もあったっけ。

 大好きな場所で見つけたのは、優しくて、儚くて、それでも消える事のない音。

 

 学校を出た私は、ふと聴いたことのある声を耳にする。無邪気にはしゃぐ幼子と、それを見守る母。そしてその傍にいる者は、かつて私の傍にいた存在だった。夜想曲、と名付けたのが懐かしい。

 此方に気づいた彼女たちに軽く挨拶をしながら、ふと気づいたのが、この2人、私の事を犬を拾ってくれた人としか思ってないみたい。最近は「Aqours桜内梨子さん」「梨子ちゃん」って呼ばれる事ばかりだったけど、そういえば自分はここに住む名もなき住人の1人でもあるんだなって思った。実際、ステージに立っている時私たちは、私たちを見上げる人たち一人一人の事を知ってるわけじゃなくて。私の名前を呼ぶ人全員を名前で呼び返すことなんてできなくて。私を応援してくれる誰かは、私にとっては、私を応援してくれる人の中の1人でしかなくて。私たちから見たμ'sは特別な存在だけど、μ'sからすると私たちは名前のないただのファンなのだろう。

 だから、特別な輝きが欲しいって思ったんだ。だから、名前を残したいって思ったんだ。でも、あの日……絶対に間に合わないと思ったのに、初めての奇跡が起きた日、千歌ちゃんが語ったのは、自分を特別だと思える人なんていないって事。そして、別の日に堕天使はこう言ったんだ。自分は本当は特別じゃないって分かってて、それでも特別を名乗り続けるんだって。それは、自分の不幸である事へのせめてもの抵抗ではあるけれど。

 みんな自分が特別じゃないから、ずっとずっと苦しんできたんだ。あの時、自分がもう少し強ければ何か変わったかも知れないって、そう言う涙を何度も見てきた。前に鞠莉さんと作曲の話をしていた時に、彼女の手が腫れていたのが強烈に印象に残っている。一見何でも出来る曜ちゃんだって、普通の特別な人の特別になりたくて、でも、その普通な人にとっての曜ちゃんは特別だから、ずっとすれ違い続けていたのだろう。

 みんな自分の事を特別だなんて思ってなくて、それでも自分に特別な何かが欲しいと思っていて。だから、中にはそれを分かって特別を名乗り続ける人もいて。でも、私にとってみんなは私の中の何かを変えてくれた特別な存在なんだ。だから私は、あの時から全てに意味があるんだって、そう思うことにした。自分に何もなくて普通だって思っている人でも、そこにいる意味があって、それがその人の中に潜む特別な何かなのだろう。そうやって、自分の大切なもの全てを繋ぎ合わせた時、私はたぶん特別だって言えるのかなって思う。

 あの日見た天の川の、そこにある星ひとつひとつの名前を私は知らないけど、いつかそのひとつひとつの繋がりに特別な意味があると知る事が出来たらいいな。誰かにとって今はまだ名もない私でも、私にとってまだ名もない誰かも、もしも出逢った時にそれが特別なものになると素敵。

 偶然の出逢いの中に、人と人とを繋ぐ不思議な音を聴いた気がした。

 

 みんな普通で、でも私にとって特別なこの町、私の町。その日は一日中、大好きな街をふらふらしていた。体全体で感じる風の優しさ、海の暖かさ、落ち着いた雰囲気をいつまでも味わっていたいなって思った。

 

 その夜、集めた音のカケラをピアノの上で形にしてみる。ひとつひとつの音はとても綺麗だけど、まだなんだか物足りない気がした。たしかにあの日聞こえたはずの音だとは思うんだけど、でも、まだ足りないの。

 まあ、そんな簡単に曲ができたら苦労しないわよねって苦笑いしながら、私はカーテンを開いてみる。思った通り、窓越しにお隣さんがこちらに向かって手を振っている。手には何やらスマホを持っているようで……

せいらさーん!今のが梨子ちゃんのピアノだよ〜」

 やめてよ恥ずかしい。そういえば、Saint Snowの曲は聖良さんが書いてるんだっけ。私のピアノを聴いて、彼女も何か思う事はあるのだろうか。彼女が曲も歌詞も一身に背負い、一気にラブライブを駆け上がった天才であると思い出し、少し緊張する。

 電話をしながら離れた私と会話をするというのは物理的に厳しいものがあって、だからといってこんな遅い時間にスピーカーで音を流すわけにも行かなくて、千歌ちゃんは聖良さんとの通話を切り上げるようだ。少し申し訳ないかなと思いつつも、なんとなく聖良さんに対する優越感も感じる。聖良さんも誰かに嫉妬したりするのかな?

 他の人に聞かれたら本気で引かれそうな事をついつい考えながら、窓枠に寄り添ってみる。毎日のようにこうして語り合う事の特別さが改めて身に染みて、なんだか少し遠い所からこちらを見つめる彼女を抱きしめたくなる。

「千歌ちゃんってさ、歌詞を書く時、どこからスタートしてるの?私や曜ちゃんみたいに、貰った物に合わせて作ってる訳じゃないでしょう?」

 素朴な疑問。私もAqoursに入るまでに書いた曲は、ゼロから作っていたんだけど、自分でいい曲だって思えるのは、そんなに無かったと思う。だから、何かヒントにならないかなって、そう思った。千歌ちゃんは、たぶん何か答えを持ってる気がした。だって、千歌ちゃんは、ゼロをイチにできる人で、何もないところから何かを産み出せる人なんだって、そう思ってたから。

「私ね、たぶん、ゼロから作り上げてる訳じゃないと思うんだ。私が肌で感じたみんなの想いや熱い気持ちをなんとか形にしたいって思ってて。みんなだけじゃない。自分の中で抱えている想いだって、ちゃんと形にしたいし、伝えたい。たぶん、梨子ちゃんの方がそういうの得意だと思う。だって、海の音を聴いた時だって、そして今もずっと……。」

 誰かの形のない想いを、形のない物で表現する梨子ちゃんや曜ちゃんはすごいなあって呟く千歌ちゃん。私不器用だから言葉にしないと伝えられないよって、笑いながら洩らす彼女が、なんとなく愛おしかった。

 

 千歌ちゃんと2人の時間を終えて、ベッドに入った私に、一通の着信が。送り主は……鹿角聖良。

「曲作り、手こずってますよね。」

 単刀直入に聞かれてドキッとした。天才はここまで分かるのかと呆れると共に、格の違いを見せられた気もした。

「聴こえていた気がする音、ですか……。」

 電話の向こうで黙り込む聖良さん。確かに、私の言っている事は、突拍子も無い事だろう。

「私、そういうの少し羨ましく思います。」

 聖良さんは語る。自分の曲は、基本的に自らの衝動や感情を現すもので、パフォーマンスを彩るための存在なんだって。だから、自分には作り上げることしか出来なくて、自分を見せる事しか出来なくて、何か自分以外の物を表現するのは苦手なのだとか。

 だから、自分たちは孤高に見えただろうって思ったし、初めて見た時、自分ではなく自分たちを育てた景色を歌う私たちに違和感を覚えたって。でも、Aqoursはその景色をちゃんと力にして急速に成長してきて、その時聖良さんも悩み始めたらしい。本当に、ステージの上で見せるのは自分たちだけでいいのかって。だから、Aqoursにステージに誘われた時、なんとなく自由になった気がしたって。ステージの上にいるのが自分たちだけだなんて決まりはない。10人目でも11人目でも……100人でも200人でもそこに立つ資格はあるんだって、そう思えたんだって。

「私は不器用だから、どうしても自分の歌しか歌えないけれど、梨子さんみたいに、自分の好きなもの、大切なもの、自分と繋がっているものそれ自体を作品に出来るのって、羨ましいなって思います。尊敬しています。」

 昔私がピアノが弾けなかった時。周りに期待されて、高いレベルの場所に行って怯えていた時。そこには普通じゃない天才がたくさんいて、天才じゃない私には場違いなように思われたけれど。もう私は天才と肩を並べる事に躊躇う事はないだろうし、天才の言葉に僻みを感じる事はないだろう。今の自分には、聖良さんの言葉が素直に受け取れていると思う。

 

 それでも、まだ音が掴めないまま時は過ぎていって。閉校祭が終わって、ラブライブの決勝までは数字で見る以上に短く感じて。練習に明け暮れ、作曲は進まないまま、気がついたら決戦の地へ向かう朝。別にぼんやりと過ごしていた訳じゃなくて、忙しくて忙しくて、でもその一瞬全てが大事な瞬間だから、他の事が出来ないぐらい必死に過ごしてたと思う。

 何となく早起きした私は、ふと砂浜に向かう。そのままじゃぶじゃぶと海に入っていく。裸足の裏に感じる砂の感触がなんだか心地よくて、ついはしゃぎたくなる。思えば、この海はいつも私たちの挑戦の側にいた。私にスクールアイドルの道を示した時、私たちに内浦の良さを教えてくれた時、死ぬほど悔しくて、悔しくて、涙を流しながら戦い続けると誓った時。一度は光を掴みかけたと思ったあの時。限界を超えて、私たちの普通を乗り越えたあの瞬間も、全部全部この海は見守ってくれていて。ゼロを1にすると誓ったあの時も、未来をひっくり返したあの時も、場所は違うけれど、キセキを起こすと叫んだあの時もキセキを信じて走り抜けたあの時も、私たちは太陽を見上げていた。何度も折れそうになって、何度も涙を流したけれど、流れた涙は全部この海が受け止めてくれたし、残った涙も日差しが乾かしてくれた。だから私たちは前を向いて、何度も挑み続ける事が出来たんだと思う。

 しばらく何もしないで、朝日の登る海を見つめていると、後ろからじゃぶじゃぶ音が聞こえて、隣に鞠莉さんがやってくる。言葉を交わすこともなく、ただ並んで朝日を見上げていると、次第に3人目、4人目と集まってくる。不意に鞠莉さんが私の手を握る。その手はとても綺麗で、その肌のきめ細やかさに少しドキっとした。もう片方の手で千歌ちゃんの手を取ると、握り返す彼女のパワーが思っていたよりも凄まじいもので、私の華奢な手なんて簡単に握り潰せてしまいそうで。

「千歌ちゃん、痛い。」

「あはは、ごめん。」

「ばか。」

 いつもと変わらないくだらないやり取りに、思わずみんなから笑いが溢れる。

 水平線の向こうから昇る太陽は、ちょうどここから見える学校の後ろにあって、輝きがまるでそこにあるかのように見える。もし今から学校に行ったら、太陽がそこに鎮座しているような気がする。私たちはただただその風景を、手を繋いでずっと見ていた。

「さあ、行こうか。」

 しばらくして千歌ちゃんが言うと、かなりの時間こうしていたことに気づく。このまま気づかなければ、明日も明後日もこうしていそうだった。

 行ってきますって、そっと呟いた。足元に感じるさざなみの鼓動は、私たちが何度も挑み続けてきた事を噛み締めさせるようでも、優しく背中を押してくれているようでもあって、やっぱり気持ちよかった。

 寄せては返す波の音は、私たちを見守る海だけじゃなくて、私たちの心の奥底からも聴こえている気がした。

 

 海から出て、電車に乗って、東京の街についた私たちは、さあこれから私たちだけで戦って、そして待ってるみんなの所に笑顔で帰るんだって思ってた。でも、神田には私たちの勝利を願う人がたくさんいて、Saint Snowの2人も応援に駆けつけてくれて。秋葉の街の至る所で私たちの名前を見た。呼び止められた事も、一度や二度じゃない。内浦からも、たくさんの人が来てくれて。前に来た時は、みんな敵地に乗り込むぐらいの気持ちだったのに、今は至る所に私たちの味方がいる。空って一つしかないんだなぁって思った。だって、繋がっていれば、みんなこうやって集まってくる事ができる。別々の場所にいても、そんなの関係ない。広い空の下では、東京と内浦、函館だって、本当にあって無いような距離なのだろう。

 だから、私はなんとなく、次のカケラがどこにあるのか分かった気がした。向かった先は、音楽で有名で、憧れのスクールアイドルの母校で、私がかつて通っていた場所。音ノ木坂女学院。

 音ノ木のピアノの椅子に腰掛けると、浦の星のそれとは違う感触がお尻を包む。この感触を懐かしいと感じないのは、きっと浦の星に慣れすぎたせいだろう。本来は私は東京に帰ってきた人間なのに、帰るという言葉がしっくりこないぐらい、私は内浦の人間になってしまっているのだと思う。

 ここに来たのは、過去の自分に逢いたかったから。ピアノが弾けなくて、悩んで迷っていた1年前の自分に、私はちゃんと今はピアノが弾けるんだって言いに来たの。

 ずっとずっと悩んでいて、曜ちゃんや千歌ちゃんに弱音を吐いた事もあったけど、それでも、そうやって歩いて来た事が、ちゃんと今に繋がってるんだって思いたいから。

 出逢いの意味が、出逢った意味が、歩んできた道が、そして、そこにいる全ての人と私が繋がるように。ねえ、聴こえていますか。最後のカケラは、ずっとすぐそばに。全部集めたから、迎えにきたの。わたしと、今まで出逢ったみんなと、これから出逢うみんなと、今一緒にいるみんなの

 

想いよひとつになれ

 

 最後の鍵盤から手を離した時、私の中に確かな力が芽生えたのを感じながら、1つの決意を固めていた。

 

 なんとなく、曜ちゃんと千歌ちゃんはそこにいるんじゃないかと思った。前に千歌ちゃんが言ってたんだ。ここで自分はμ'sと出逢ったんだって。ここが、はじまりのひとつなんだって。

 伝えておきたかった。飾る事ない私の想いを。嘘偽りない本心を。

 私の想いを見透かしたかのように、千歌ちゃんは、問いかける。

「梨子ちゃんは、勝ちたい?」

 自分の右手が震えるのを感じながら、首を縦に振る。飾らない本心を口にするという事は、たとえ覚悟が出来ていたとしても、身体は震えるものなのだろう。全身が熱くなるのを感じる。それでも、言葉を出すんだ。

 ふと、私の知らない想いが繋がった気がする。それは、私にとてもよく似ているけど、私より不器用で、それでいて、私よりはるかに強いんだろうなって思った。同時にスッと震えが止まる。言葉が口から次々に溢れ出す。きっと私の知らない場所で、それはきっと遠い遠い場所で、私を助けてくれる誰かの想いなのかもしれない。

 だから、もっともっと……全部繋げておきたかった。私たちの始まりと、私たちの出逢いを。

 「わたし、自分が選んだ道が間違ってなかったんだって、心の底から思えた。」

 私ってこんな声出せたんだ、こんな言葉が話せたんだって驚きながら、どんどん言葉が溢れてくる。

 肯定しておきたかった。あの日の貴方の言葉を。貴方が信じた奇跡を。

「辛くてピアノから逃げた私を救ってくれた千歌ちゃんたちとの出逢いこそが奇跡だったんだって。」

 だから、答えるんだ。貴方の想いに、そして私の想いに、全力で。叫ぶんだ。私自身の中で反響するように、遠くへ遠くへ届くように。

 

「勝ちたい。

  ラブライブで勝ちたい。

 

  この道でよかったんだって証明したい。

 

  今を精一杯全力で、心から。

 

  スクールアイドルをやりたい!!!」

 

 言えた。

 気がついたら私は、2人を抱きしめていた。本当に、私らしいのか私らしくないのか分からないけど、二人とも不思議と驚く事もなく、優しく私を包み込んでくれる。あぁ、みんなに逢えて、Aqoursに逢えて、曜ちゃんに逢えて、千歌ちゃんに逢えて……本当に……大好き。

 

「千歌ちゃんは?勝ちたい?」

 抱擁を解いた私は、曜ちゃんに合わせて尋ねてみる。答えは決まってた。

「0を1にして一歩一歩進んできて、そのままでいいんだよね。

普通で……怪獣で……今があるんだよね」

「勝ちたい!

 

  勝って輝きを見つけて見せる!」

 彼女の叫びは、願望なんかじゃない。私には、確かに勝利宣言に聞こえた。

 0票だったあの時の結果を、千歌ちゃんは空に解き放つ。その紙は役割を終えて天に帰っていくようで、ひらひら空を舞って、どんどん遠くへ消えていって……。

 

 始まりのゼロ、悔しさのゼロを見送った私たちは走りだす。もう、やり残した事なんてない。視線の先にある決戦の場所。大きくて、大きくて、でも、不安なんてない。しっかりと見据えたその先に、もう未来が見えている気がする。

 その時、私の耳に、確かな旋律が飛び込んでくる。優しく微かな音だけど、でも、聴いたことがあるんだ。ずっと探していたんだ。

 周りを見渡せば、私たちを支えてくれる人達がたくさん見えてくる。気がついたら、後ろから一年生の3人が駆けてくる。

 音が少しずつ、はっきりとしていく。走っていて感じるんだ。みんなみんなおんなじ明日を見てるんだって。ひとりひとりが持ってる音が、ただ一つの未来を目指して、集まっていく。それはバラバラなんかじゃなくて、ひとつひとつの音が繋がって、ひとつのメロディーを刻んでいく。

 道の反対側に、三年生の3人が見える。向かう先の歩道橋は、大きなドームと同じ目線に立てるぐらい高かった。ジャンプしたら飛び越せるかもしれない。

 だんだん強くなっていく音は、何度も何度も繰り返す。それは波のようで、でも、寄せては返すたびに、その音は強くなっていって。

 確かに聴こえていたんだ。キセキを起こすと誓ったあの時も、キセキを信じて走り抜けたあの時も、みんなに支えられたあの時も……あの時も……あの時も……ずっと。

 鳴り響く力強い旋律は、私の中に芽生えた力をどんどん大きくしていく。見上げた太陽だって、手を伸ばせば届く気がする。世界中の力が、私の中に、私たちの中に降り注いでいく。きっと、その力は私たちをどこまでだって連れていってくれる。どこでだって繋がってる。

 

どのぐらい走ったのかな。

 

どこまで来たのかな。どこまで続くのかな。

 

分からないけど、あの時と今思ってる事が全てあって、ここに辿り着けたんだと思う。

 

雲の上だって、空を飛んでるみたいだって、

 

思いっきり楽しもう。弾けよう。

 

そして……優勝しよう!!!

 

私たちの輝きと証を見つけに!

 

 

 

さあ、行くよ!

 

1!

 

2!

 

3!

 

4!

 

5!

 

6!

 

7!

 

8!

 

9!

 

 

ゼロからイチへ!

 

イチからその先へ!

 

Aqours……

 

サ〜ン……シャイ〜〜〜〜〜〜ン!!!!

ライブを見れない人の話

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 First Liveの時、私は高3で、ちょうど全ての受験を終えたところだった。合格発表までの束の間の、緊張と安堵の混ざるあの期間に、Aqours横浜アリーナにいた。受験で忙しかった私に、ライブに応募したり、準備に奔走するだけの余裕はなく、カードショップからの帰り道、今頃ライブが始まってるんだろうなと悔しい思いをしたのを覚えている。

 2ndLive tour。浪人生には当然の如く人権は無い。予備校の自習室で過ごすライブの時間。全6日全てをそこで過ごした私は、今年は絶対合格して、3rdは全通するんだと誓った。悔しい思いをするのは、これで終わりでいい。

 

 そうはならなかった。一年かけても全く身に付かない英語、伸び悩む成績……。年々合格者数を減らす現状、そんな人間が合格できるほど、世の中は甘くない。全ての大学から不合格を貰った私は、不名誉にも多浪というレッテルを貼られてしまった。

 

 去年の誓いを果たすことは、絶対に無い。私がAqours3rd Liveを見る事は無い。

 

 だが、今もし仮になにかの間違いでLiveに誘われて、経費も準備も全てが用意されていて、何故か無から時間が生み出されたとしても、私はライブに行かないと思う。いや、本音はもちろん行きたいが、行くことはできないのだ。

 

 Aqoursが私たちに見せてくれたのは、彼女たちの生き方、輝き方。そしてそれらは決して特別なものではなく、私たちにも共通するものだ。

君のこころは輝いてるかい?

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 今の自分にとって輝く事とは、勉強する事。合格するために、ひたすら足掻く事。

私思うんだ、奇跡を最初から起こそうなんて人いないと思う。ただ一生懸命夢中になって何かをしようとしている、何とかしたい何かを変えたい それだけのことかもしれない。だから!! 起こせるよ奇跡!私たちにも!!

 今勉強している事はきっと無駄にならないんだ、絶対合格へと繋がってくれる。未来の僕らは、今の持つ意味を知っているから。そう教えてくれたAqoursに対して、勉強を放り出して会いに行く資格は私には無い。彼女たちを応援する資格があるのは、彼女たちと同じく、輝こうとしている人間だけだ。

 だから、「ライブに行きたい」って思うのはもうやめようと思います。彼女たちを応援する資格のある人間になるために。合格したら会いに行けることを信じて。

 今の私にとって輝くって事は、ライブに参加する事じゃなくて、勉強する事だから。そう遠くない未来、私が貴女たちと同じ場にいる資格があることを信じて。

 その場にいなくても、私のこころはちゃんと輝いていると言えるように。

ボーマンダにSTART:DASH!!と名付けた話

 昨晩は駄文を失礼しました。読み返してスマホぶん投げましたね。はい。何書いてんだこいつって。

 

 下手に背伸びせずに、自由に書いてみようと思います。

 

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 かっこいいですよね。ボーマンダ

空を 飛ぶことを 願い続けた 結果 体の 細胞が 変化して 翼が 生えてきた。

DP、PT、BW、BW2

 大空を飛ぶ事を夢見続けたタツベイ。飛ぶ練習のため崖から飛び降りてる。諦めちゃだめなんだ。その日が絶対来るって言い聞かせて。そうして、進化して、ついに立派な翼を手に入れて。

 そして、眩しい光に照らされて……

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特性 スカイスキン

 トレーナーとの絆で起こすメガシンカで、“飛行タイプがついてるだけのドラゴン”から、“正真正銘の飛行ポケモン”になるの、胸が熱くなります。ORASメガボーマンダが発表されたときめっちゃ嬉しかったの、今でも覚えてます。

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カードの方で、ボーマンダは全部炎と水のエネルギーで動くポケモンとしてデザインされているんですけど、

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 海未と太陽と大きな強い翼なんですよね。ここらへんの話は、MTGやDMのカラーパイ齧ってる人が反応してくれると思います。

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 まあSTART:DASH!!はスマイルなんですけどね。そういえばこの曲、μ'sの曲にしては珍しく、未来志向の曲なんですよね。明日よ変われ!って。ちょっとAqoursっぽいですね。

 …ん?

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 あ。

 そう言う事なんですね。千歌ちゃんが憧れる訳です。ここからイマを重ねそしてミライへ向かう物語が始まるんですね。

 あ、そういえば、ポケットモンスターSpecialで、ルビーの頭にキズをつけたのもこいつでしたね。

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 話がμ'sから離れすぎたかな?

 ちなみに、このインターネットのどこかに、高1の黒鷺さんの黒歴史である真姫ちゃんとボーマンダのSSがあるとかないとか。

 わりと簡単に見つかりますよ???

 

それでは。

スクコレ雑談【アグロキチガイの構築論】

 濁る事無きアグロの極み。非情なまでに、熱く、合理的に、尚且つ絶対的にィ!!俺は最強!!!

 どうも、8弾とアクキーの梨子が強くて調子乗ってる黒鷺です。

 

今回は、最近強いなーと思ってるセットリストの組み合わせを、背景と絡めて紹介したいと思います。

 

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MIRAI TICKET

赤 3点

スマイル3 ピュア3 クール3

ライブ成功時、ライブ参加全員がAqoursなら、エクストラターン。

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未来の僕らは知ってるよ

黄 3点

スマイル3 ピュア3 クール2

ライブ成功時、2ドロー。この楽曲以前に自分がライブしていなければ追加1ドロー。

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Step! ZERO to ONE

青 2点

スマイル1 ピュア2 クール2

ライブ成功時、2ドロー

 

 この構成を、点数を取って「433222」とか言ったりします。

 この構築の核となるカードであるMIRAI TICKETと、MIRAI TICKETの周りを固める5枚、といった並びになります。

 コンセプトは至って単純。2点取った後、MIRAI TICKET+4点曲の合計9点でゲームに勝つ事です。

 

この構成の強さ

  •  ゲームプランの立てやすさ

 セットリストを捲った時点で、2点曲があれば、まず2点曲をLiveし、その後のMIRAI TICKET+4点曲を狙っていきます。2点曲が無く、未来の僕らは知ってるよが見えていれば、それをLiveして3ドローし、2点曲→4点曲と動きます。初手がMIRAI TICKET4点曲だった場合、4点曲→3点曲→2点曲と動く事になり、この場合非常に厳しい勝負になります。(とはいえ、デッキにセットリストを捲る事ができるカードを採用する事でこういう事は起こらなくなります。)

 さて、基本となる動きに、色付きの文字、つまりこの構成において使う事が確定しているカードが非常に多い事がお分かりでしょうか。スクコレはピースを早く揃えるゲームであるので、余計なピースを出す事はテンポロスとなり、かなり勝敗に影響します。勝つために必要な楽曲が確定している、つまり必要なピース、そのために必要なカードが早期に確定する事になります。

 勝つために必要なカードが分かっていればどうなると思いますか?間違えないプレイングではなく、積極的に勝ちに行くプレイングができます。

「相手が上振れていて、今の手札では勝つために必要なカードを揃えるのが間に合わない!」「相手があまり回ってないから、今の手札だけで戦っても追いつかれる事はないね!」

という事が早めに分かる事は、非常に大事です。スクコレはデッキトップという何が出るか分からない場所からカードを登場する事ができます。今の手札で勝てるなら、そんなリスキーな事しなくていいです。もし今の手札で勝てないなら…?

未来の事に臆病にならなくて、いいんだよ。

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 デッキトップから貴方の勝ち筋となるカードを捲って勝ちに行きましょう。リスクに怯える必要はありません。これはプレイングです。必要なカードが早期に確定していると、勝負すべきかの判断も早期からできるのです。

 

  • 強いカードを相手より多く使う事ができる

 スクコレは大抵7ターン前後で決着が着くので、2点曲をライブするまで2ターンと考えると、4〜5ターンぐらいかけて、MIRAI TICKET+4点曲分のピースを展開できます。通常なら、この4〜5ターンのうち2回はLiveを使う事にターンを使わなければなりませんが、この構成ではMIRAI TICKETのエクストラターンにそのまま4点曲をLiveする事ができるため、実質Liveに使うターンは1ターンのみとなります。

 通常の2→3→4と動くデッキは、3回Liveする必要があるため、展開に使う事ができるターンは、rush、Liveを考慮すると5〜6ターンとなります。それに対して、この構成は、rush、Liveを計算に入れなくても5〜6ターン展開できます。つまり、他のデッキがrush→Liveで2ピース展開しながらLiveしているターンに、このデッキはもっと強いHRを使う事ができます。

 極端な話、7ターンで上がる事を前提としても、rushLiveが無くても5ターンは展開にターンを使えるという事です。

 なぜこれを強みにできるかというと、この構成では、デッキを組む場合、MIRAI TICKETをLiveする事を前提としてカードを採用できるからです。(未来の僕らは知ってるよを採用してはいますが、2点曲や4点曲を増やすより3点曲を増やした方が意義があると判断し、そしてその3点曲はこのカード以外あり得ないと思います。)3回Liveする前提構成でありながら、実質2Live構成として使う事ができます。通常の3Live構成だと、3回Liveする事によるテンポロスをカバーするため、rushLiveをそれなりの枚数積む事になりますが、この構成だとその枠を減らして他のカードに充てる事ができます。rushLiveを減らしてHRを増やす事で、先程述べたトップから勝負して勝てる確率も高まりますね。

全てに意味がある。

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 こうして、デッキにしっかりと強いカードを増やす事により、ピンチをひっくり返す奇跡が起こる確率も上がります。だから、そもそもトップの強いデッキでトップ勝負に勝つ事は、偶然ではなく、必然であり、プレイングです。スクコレは頭脳の格闘技!覇ァ!

 

  • 拡張性が高い

 未来の僕らは知ってるよStep ZERO to ONEが必須であるかのように書いていますが、この構成のコンセプトは、“2点曲をLive→展開→MIRAI TICKET→4点曲で勝ち”、つまり、MIRAI TICKETをLiveする事前提で戦う事であり、この二枚はあくまでも周りを固めるカードでしかありません。仮にこの二枚も確定としても、4点曲1つと2点曲2つは使いたいカードに合わせて採用する事ができます。4点曲や2点曲には、学年、キャラ、ユニット…等様々なテーマと相性のいいカードが揃っています。MIRAI TICKETの条件と噛み合わないので、流石にμ'sユニットとかは厳しいですが、それでも相当なテーマと噛み合うでしょう。

みんなも一緒に輝こう!!!

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 アニメで、私たちの前に、私たちを晒け出したAqours。彼女たちの語る“みんな”はその場にいる人だけの話じゃない。例え彼女たちの事を知らなくても、彼女たちの敵として出会ったとしても、輝きたい!と願うだけで、MIRAIへと舵を切る資格があります。MIRAI TICKETは、目指すMIRAIへの最強の通過点。どんな歌から始まっても、どんな歌に辿り着くとしても、この1枚はそれらをしっかりと繋いでくれます。

 

 

 

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 このカードはただのカードじゃない。貴方自身がsunshine storyを刻むため、貴方の好きなメンバーを輝かせるためのTICKET。出た当初はそこまで強い印象はなく、3コスの選択肢程度だったこのカードは、Aqoursのカードプールが広くなり、そして専用サポートまで獲得した今、本当に強いカードになりました。

 化けたんじゃない。この曲をLiveする人が強くなったんです。この曲を歌っている人が高みに到ったからこそ、その通過点であるこのカードが輝いているものだと言えるようになりました。

本当は持ってたんだよ
僕たちはみんな持ってた
胸に眠る輝き めざめる前のチカラ

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 彼女達自身が強くなった事で、やっと本当にめちゃくちゃ強いカードとして輝き始めたMIRAI TICKET。このカードを軸に組んだ構築、いや、このカードで紡ぐ物語は、まさに勝者の歩む道として相応しいものとなるでしょう。

 

 目と目があったらスクコレやろうぜ!

Aqours CLUB入部のすすめ

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遠くから聞こえたよ ここにおいでって
誰の声かはわからない でも聞こえたよ
まだまだいっぱいあるんだ 話したいこと
待ってるだけじゃ伝わらない
だから…来たのさ!

 僕は演者、創作者と作品を見るとき、仮にこの作品を他の誰かが共通のテーマで描くとして、その中での「この私の描く作品のアイデンティティ」といったものを重視する人間です。歴史を題材とした作品が好きな人は、特に共感して貰えると思います。

 真田幸村という人物を演じる事を通して見える、上川隆也さん、堺雅人さん、真田幸村によって描かれる三谷幸喜さん、中島かずきさんの魂。そういったものが、僕は大好きです。

 

 そういったものの素晴らしさをもっと知ってほしい。作り手の魂をもっともっと感じてほしい。Aqours CLUB高いのでは?と手を出さない人が多いように見受けられるので、ここではそういった金銭的価値の面からも、このサービスの価値を説こうと思います。

 

コストパフォーマンスとは?

 みなさんはコストパフォーマンスという言葉をご存知でしょうか?あるものが持つ費用と効果を照らし合わせた度合いの事で、対費用効果とか言われたりします。

 最近流行りのVTCGに触れている方には理解が早いと思います。

 有名なshadow verseから。まずこのカードを見てください。

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 コスト、つまりこのカードを使うのに必要な対価はPP2。PP2払う事によって得られる物は、攻撃と体力が共に2、進化すると4になるフォロワーを盤面に出すことです。

次にこれらのカード。

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これらのカードを使う事、つまりPP2払う事によって得られる物は、攻撃と体力が共に2、進化すると4になり、進化権を使った時にそれぞれ効果を発揮するフォロワーを盤面に出すことです。

 もちろん、体力11の盤面無しヴァンプに進化置きしたい!ツバキ出るの知ってるけどヘクトルの横に進化置きしたい!など限定的にファイターが勝る事はありますが、青で書いた同じ払った対価に対して、得られる物が、緑で書いた分だけ多い事が分かります。

 同じコスト2であるのに、ファイターと比べてバリューの高いリリエルとフェリア。これを、「コストパフォーマンスが高い」と言います。コスパとは相対的な物なのです。

 

 また、見落としがちですが、コストそのものが高ければ高いほど、同じ単位で比較したコストパフォーマンスは高くなります。

 スクフェスの勧誘もそうですよね。単発勧誘より、11連した方が石1つあたりの仕事量は大きくなります。同じ単位で比較するため、単発を10回したとしましょう。

 石50個の消費により、単発勧誘10回だと、10回勧誘と補助チケ1枚を得ます。11連勧誘は、石50個の消費により、10回勧誘と補助チケ1枚に加えて、補助チケチャージ1とSR以上確定勧誘が1回付属する事になります。

 当然ですよね。もし単発10回の方がコスパが高いなら、誰も11連(?)を回さないと思います。

 

 コストパフォーマンスについて、これでご理解いただけたでしょうか?僕の記憶が正しければ、中学の社会の授業での既習範囲だと思います。為替とか需要供給の事で、直接ではありませんが絡んでくるので、ここを理解していればこの話もご存知だと思います。記憶違いだと困るので、一応説明を入れておきました。

 

Aqours CLUBのコスパについて

 2018年3月11日現在、Aqours CLUBのブログは76回更新されています。計算が面倒なので、このまま6月29日まで更新が無く、75回と仮定して、昨年のLanding action Yeah!!の時の入会費約5000円と照らし合わせてみましょう。デュオトリオCDが約2000円なので、ランアクのCD単品でもそのくらいの値段だと思います。その他グッズは面倒なので0円と計算し、入会費を3000円だと計算すると…

 

 一回のブログの価値は、約40円になります。

 

 比較対象として、類似する内容の物を挙げると、パンフレットがあると思います。

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 パンフレットの中では内容が濃い方だと思います。キャストインタビューが計9ページ。京極尚彦監督、花田十輝先生、藤澤慶昌氏へのインタビューが計10ページ。1ページグラビアはインタビューとセット計算でいいと思います。1ページ当たりブログ1回計算で、約50円。

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ライブのパンフはグラビアの比率が高く、計算がまともにできないので割愛しますが、内容自体はブログ15回分程だと思います。一応参考までに。

 

 データ自体は少なめではありますが、あのμ's劇場版パンフよりコスパいいよ!って言うと、その凄まじさが分かると思います。

 Aqours CLUBのコスパはヤバイです。正直、僕はAqours CLUB加入当初はまあ月1とかかなー程度に考えてました。まさかこんなに大量の記事を読めるとは思ってなかったです。

 

 例えるなら、相手が火のマナを3枚使った時、あーエグゼドライブかなーとか適当な事考えてたとするじゃないですか。

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 ゲ ー ム が 終 了 し た 。

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 このぐらいのショックはありましたね。なんだこの量は。これパンフにして売れば何億稼げる事か。ブログ15回にグラビア貼って売れば3500円になるのに、それを76回も。たったの5000円で。利益出んのかよこれ、って。ラブカストーン86個でパンフ5枚分。本当にヤバいです。

 

 Aqours CLUBに入ろう

 本題です。最初に出した真田幸村の例えはここに絡みます。役者とは不思議な存在で、彼らは作品を作り上げる存在でありながら、同時に作品によって描かれる存在でもあります。

 

 仮に、ラブライブ!サンシャイン!!を全く別のキャストでリメイクしたとしましょう。例えば、そこでは桜内梨子さんが逢田梨香子さんではなく、水沢史絵さんが演じています。(なぜ僕がこの人を選んだのか、水沢史絵さんと僕の趣味を照らし合わせたらピンと来ると思います。)

 

 水沢史絵さんも逢田梨香子さんも、同じ桜内梨子を演じています。その桜内梨子は同じ桜内梨子でありますが、水沢史絵さんの桜内梨子と、逢田梨香子さんの桜内梨子は、違うはずです。

 言い換えましょう。作品によって描かれる桜内梨子は、同じ桜内梨子です。ですが、役者によって描かれる桜内梨子(cv.逢田梨香子)と、桜内梨子(cv.水沢史絵)は違います。水沢史絵さんにも桜内梨子を演じる事はできます。ですが、彼女は桜内梨子(cv.逢田梨香子)にはなれない。

 

 とはいえ、桜内梨子を演じる人は逢田梨香子さんしかいないので、正直ピンと来ないと思います。そこで、先程の真田幸村の出番です。

されどわたしはおまえを討ち果たさねばならぬのだ!
我が父のため!
我が友のため!
先に死んでいった愛する者たちのために!

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   2016年大河ドラマ 真田丸より

 これが、真田幸村堺雅人です。真田丸によって、三谷幸喜さんによって描かれる堺雅人です。堺雅人さんと言われると、半沢直樹やリーガルハイを想像する方が多いと思います。彼はそういった、“己の信念を貫き立ち向かう男”を演じてきました。これが“己の信念を貫き立ち向かう男真田幸村”です。“己の信念を貫き立ち向かう男”によって描かれる真田幸村です。

 

 この真田幸村を、上川隆也さんは演じる事はできません。ですが、舞台真田十勇士真田幸村を、堺雅人さんは演じる事はできません。

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 僕は上川隆也さんをよく知らないので、何が上川隆也さんらしいのかを語る事は出来ません。ですが、この舞台で描かれる真田幸村は、“夢を語り何度でも立ち上がる男”でした。何度も敵兵に斬りつけられ、倒れても起き上がり向かっていくその姿は、折れず貫く堺雅人さんとは違うものでした。上川隆也さんの真田幸村は折れます。自暴自棄になります。倒れます。屈します。それでも立ち上がるのです。

 

 話をAqours CLUBに戻しましょう。僕たちは、Aqours一人一人の事を、G'sやスクフェスによる個人描写から垣間見る事ができます。そして、そのAqoursの語る夢、彼女たちの想いを、アニメやライブから受け取ることができます。では、その Aqoursを演じるのは誰でしょう?

 言い換えましょう。どんな人間にAqoursは描かれているのでしょう?その人にしか描けないAqoursとは何でしょう?

 Aqours CLUBは、キャストにより綴られるブログで成り立っています。キャストがどんな人間なのか、何を思って舞台に立つのか。そういったものを垣間見ることができます。

 

「泣くもんか」

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 高海千歌のこの台詞が、伊波杏樹さんの物だという事は有名だと思います。逆に言うと、この台詞は伊波杏樹さん以外の高海千歌は言いません。誰が描く高海千歌も、同じ答えを出すでしょう。劣等感と自己否定で形成されながら、それでも前を向こうとする。彼女はそういう子です。それを、演者である伊波杏樹さんは、「泣くもんか」と表現した。前を向き続ける事への誓いに、この言葉を選んだ。これが、高海千歌(cv.伊波杏樹)です。伊波杏樹さんが高海千歌を演じる理由、彼女が高海千歌として選ばれた理由です。

 伊波杏樹さんも、インタビューで自分がネガティブな事を漏らしていました。Aqours CLUBでは、そんな彼女がどれだけ他の人に支えられているか、そう言った想いが赤裸々に綴られていました。そんな彼女だからこそ、「泣くもんか」という言葉を選んだのでしょう。涙は人に見えてしまいますから。

 

 2.5次元コンテンツとして展開してきたラブライブ!の最大の強みは、このキャラ(cv.キャスト)だと思います。巫女ではないんです。中継でもない。キャストがキャラである必然性が生まれた時、初めてプロジェクトラブライブ!はそのプロジェクトの本来の姿を見せる事ができます。

 

 さて、自分語りをしましょうか。サンシャイン!!のアニメの中で描かれたのは、憧れと現実の食い違いに悩む弱い人間の姿。その姿に既視感を抱いた方も多いのではないでしょうか?

 僕はこの人でした。

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 信じる物を全て失い、縋るものを見つけて迷う彼女の姿に、僕は自分と桜内梨子を重ねていました。自分もこういう人間だな、と。

 そうして、アニメの終盤、彼女は語ります。

自分が選んだ道が間違ってなかったって、心の底から思えた。辛くてピアノから逃げた私を千歌ちゃん達が救ってくれた。千歌ちゃん達との出会いこそが奇跡だったんだって。だから、勝ちたい。…この道で良かったんだって証明したい。今を、精一杯全力で心から、スクールアイドルをやりたい!

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 見たか世界よこれが桜内梨子(cv.逢田梨香子)だ。誰が描いても桜内梨子さんはこの答えに至るはずです。でなければ彼女はピアノを弾く役割を割り当てられません。演奏とは練習を積み重ねて初めて出来る物です。注目すべきは、「スクールアイドルをやりたい!」のところ。時間があればもう一度見てみてください。本当に強い言い方をしているんです。言い切っているんです。

 忙しくお金も無い僕はあまりラブライブ!のキャストインタビューを追う事ができません。ですが、TwitterInstagram、そして一番はAqours CLUBによって、僕は逢田梨香子さんが、断言する人間だと知っています。彼女の紡ぐ言葉の裏から、その強さを何度も感じました。彼女は言い切るんです。

 だから、「スクールアイドルをやりたい!」は桜内梨子(cv.逢田梨香子)なんです。あの桜内梨子を描ける人間は他にいません。あの台詞、逢田梨香子さんが何度もやり直した程大切にしたの、有名ですよね。

 

 そして、ここからがプロジェクトラブライブ!です。その桜内梨子(cv.逢田梨香子)は、そう語った後、こう歌うのです。これは桜内梨子ではない。「スクールアイドルをやりたい!」と断言した桜内梨子(cv.逢田梨香子)によるライブ、そう、これがラブライブ!なのです。

MY NEW WORLD
新しい場所 探すときがきたよ
次の輝きへと海を渡ろう
夢が見たい想いは いつでも僕たちを
つないでくれるから笑って行こう

イマを重ね そして 

ミライへ向かおう!

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 断言したから笑っていけるのです。断言できる人間だから、ミライに向かう資格があるのです。これが、この曲を歌う桜内梨子を、逢田梨香子さんが演じる理由です。逢田梨香子さんが桜内梨子である意味です。これが、プロジェクトラブライブ!であり、2.5次元コンテンツです。

 

 Aqours CLUBは、演じないキャストを見る事ができる数少ない場所で、その中でも圧倒的にコスパが高いです。僕はもっといろんな人にプロジェクトラブライブ!を感じて欲しい。自分の好きなキャラを演じる人間がどんな人なのか、もっともっと知って欲しい。

 Aqours CLUBは、こうした物を感じるための一番手軽な場所です。貴方もAqours CLUB、入りませんか?